【小児歯科医監修】長期休みに歯科受診をおすすめする3つの理由|春休み・夏休み・冬休みの使い方|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2026年08月9日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年8月9日 / 初回公開:2026年8月9日
春休み・夏休み・冬休みは、ふだんは動かしにくいお子さまの通院予定を組みやすい時期です。長期休みに歯科受診をおすすめしている理由を三つに整理し、休みの使い方を神戸市東灘区御影の小児歯科の視点でまとめました。
「夏休みのうちに歯科に連れて行ったほうがよいでしょうか」「春休みに健診を受けさせたいのですが、どのくらい前に相談すればいいですか」――東灘区/御影の当院でも、長期休みが近づくとこうしたご相談が増えていきます。学校や園がお休みの期間は、平日の日中も含めて予定を組みやすくなるため、それまで後回しになっていたことに手をつけやすいタイミングだと感じておられる方が多いようです。
この記事では、春休み・夏休み・冬休みといった長期休みに歯科受診をおすすめしている理由を、三つに整理してお伝えします。あわせて、休みの過ごし方がお口の環境に関わると考えられている点や、休みの間だからこそ見直しやすい「お口育て」の視点もご紹介します。予防処置や治療の内容そのものの解説ではなく、「時間が取れるタイミングをどう活かすか」という時期の話としてお読みいただければと思います。
目次
長期休みが歯科受診に向いているのはなぜ?
お子さまの歯科受診は、内容そのものよりも「いつ行くか」で進めやすさが変わることがあります。学校や園がある時期は、放課後の限られた時間に習い事や宿題が重なり、通院の予定を入れる余地が小さくなりがちです。結果として、気になっていたことが少しずつ先に延びてしまう、というお話をよくうかがいます。
その点、春休み・夏休み・冬休みといった長期休みは、時間の使い方をご家庭で組み立てやすい期間です。平日の日中に来院できる日があること、続けて通う日程を先に押さえられること、そしてお子さま自身が疲れていない状態で来られること――この三つがそろいやすいことが、長期休みをおすすめしている理由だと考えています。
なお、長期休みだけが受診のタイミングというわけではありません。定期的にみていくこと自体は、季節を問わず続けていただくものです。年齢に応じた通い方の目安は「子どもの定期健診・フッ素塗布・予防歯科まとめ」でご紹介していますので、あわせてご覧ください。この記事では、そのなかで長期休みという期間をどう活かすかに焦点をあててお話しします。
理由1|通院の時間に余裕がある
ひとつめの理由は、時間の余裕です。お子さまのお口の状態によっては、一度で終わらず何回かに分けて進めるほうがよい場合があります。小さなお子さまは長い時間じっと座っていることが難しいため、一回あたりを短くして回数を分けたほうが、負担が少なく進みやすいと考えられています。
学校や園がある時期は、次の予約が二週間後、三週間後と離れてしまうこともあります。長期休みの間であれば、間隔を詰めて日程を組みやすくなるため、区切りのよいところまで一気に進めやすくなります。途中で間があくと、お子さまが緊張のしかたを思い出してしまうこともあるため、続けて通えることには意味があると感じています。
もうひとつは、学校や園を休ませずに済むという点です。授業や行事を気にせず来院できることは、保護者の方にとってもお子さまにとっても負担が軽くなります。早退して来院すると、お子さまが「歯科のせいで抜けた」と感じてしまうこともあります。休みの日に落ち着いて来られることは、歯科への印象という面でもプラスにはたらくと考えています。
ただし、海外にお住まいで一時帰国のあいだに受診されるご家庭は、事情が逆になります。滞在できる期間が決まっているため、間隔をあけるのではなく、限られた期間のなかに詰めて組む必要があります。当院では、滞在の予定が決まっている場合はその期間内で終えられるよう日程を調整しますので、ご予約の際に帰国日と出発日をお知らせください。ごきょうだいまとめてのご予約も承っています。
とくに、抜歯などの外科的な処置を行う場合は、ご出発の前に一度確認の来院を組んでいただくようにしています。処置のあとの治り具合を出発前に確認できると安心ですし、渡航先で対応を探す負担も避けられます。滞在が短いときほど、最初のご相談の時点で全体の見通しを立てておくことが大切になります。
理由2|生活リズムが変わりやすい時期だから
ふたつめの理由は、長期休みがお口の環境にとって変化の起きやすい期間だとされていることです。休みの間は、決まった時間割から離れるぶん、おやつの回数が増えたり、就寝時刻が遅くなったりしやすくなります。旅行や帰省が入ると、いつもの歯みがきの流れが崩れることもあります。
甘い物については、一度に食べる量よりも、口に入る回数と時間が関わると考えられています。だらだらと長く食べ続けたり、ジュースを少しずつ飲み続けたりすると、お口の中が酸性に傾いた状態が続きやすいとされています。休みの間はこうした食べ方になりやすいため、休みに入る前と明けたあとに状態を確認しておくことに意味があると考えています。
また、みがき残しが続くと歯ぐきに軽い赤みや腫れが出ることがあるとされています。お子さまの歯ぐきの変化については「子どもの歯肉炎・歯ぐきの腫れ」でくわしくご紹介しています。休みの前後で歯ぐきの色を見くらべておくと、ケアの届き具合を振り返る手がかりになります。
理由3|お子さまの心に余裕がある
三つめの理由は、お子さまの気持ちの面です。学校や園から帰ったあとの時間帯は、体も気持ちも疲れが出やすいころです。その状態で初めての場所に行くと、ふだんなら乗り越えられることでも不安が大きくなってしまうことがあると考えられています。
当院では、初めてのお子さまにいきなり治療から入ることはせず、椅子に座ってみる、お口を見せてみる、器具の音を聞いてみるといった段階から少しずつ慣れていただく進め方を大切にしています。この「慣れる練習」は、時間に追われていないときのほうが進めやすいとされています。長期休みは、その練習にあてやすい期間です。
保護者の方にとっても、急いでいないことは大きな違いになります。次の予定が迫っているとどうしても言葉が急かす方向になりがちですが、余裕があれば待ってあげられます。お子さまが自分のペースで一歩進めた経験は、その後の受診のしやすさにつながっていくと考えています。歯科を嫌いにならずに通えるようになることは、長い目で見て大きな財産だと思っています。
学校健診で指摘を受けたときの対応タイミング
学校の歯科検診は、多くの学校で年度のはじめから初夏にかけて行われています。用紙を持ち帰ってきて、そこに記号や短い言葉で気になる点が書かれていた、という経験をお持ちの方も多いと思います。そして、その用紙を見た時期から少し間があいて、夏休みが来るという流れになりがちです。
そのため、学校健診で指摘があった場合、夏休みが対応のタイミングになりやすいと考えられています。学期中に受診できていればそれがいちばんですが、予定が合わずに持ち越してしまった場合も、休みの間に落ち着いて確認していただければと思います。用紙をお持ちいただくと、どの項目についての指摘だったかを共有しやすくなります。
記号の意味や、指摘を受けたあとにどう読み取ればよいかについては「歯科検診の結果の見方|C・CO・G・GOなどの記号とその後の対応」で整理しています。用紙の言葉だけでは判断が難しいことも多いため、迷われたときは記事をご覧いただいたうえで、歯科で実際にみてもらうのがよいと考えられています。
春休み・夏休み・冬休み、それぞれの使い方
春休みは、進級や進学をはさむ時期です。新しい学年が始まると生活のリズムが変わり、しばらくは通院の予定を組みにくくなることがあります。学年が上がる前にいまの状態を確認しておくと、その年をどう見ていくかの見通しが立てやすくなります。生えかわりが進む時期のお子さまでは、春の時点で永久歯の生え具合をみておくことも参考になります。
夏休みは、期間が長いことがいちばんの特徴です。何回かに分けて進める必要がある場合でも、休みの前半のうちに始めておけば、休みの間に区切りのよいところまで進めやすくなります。奥歯の溝を埋めるシーラントのように、生えたタイミングを見て考えるものについても、時間のあるうちに相談しておくと選びやすくなります。シーラントとフッ素の考え方は「シーラントとフッ素の使い分け」でご紹介しています。
冬休みは期間が短いぶん、目的を絞って使うのが現実的です。年末年始は行事が続き、甘い物やお菓子が身近にある日が増えやすい時期でもあります。休みに入る前に一度みておく、あるいは年明けに状態を確認しておく、といった使い方が向いていると考えています。短い休みでも、一年の締めくくりとして確認しておく意味はあると思います。
休みの間に見直したいこと|お口育ての視点から
長期休みには、受診とは別に、ご家庭でこそ見直しやすいことがあります。それは、食べ方や噛み方といったお口のはたらきです。当院では、噛む・飲み込む・話すといったお口のはたらきを成長にあわせて育てていく考え方を「お口育て」と呼んでお伝えしています。考え方の全体像は「「お口育て」とは?」でまとめています。
ふだんの平日は、朝も夕方もお子さまの食事をゆっくり見ていられる余裕がないことが多いと思います。長期休みは、そこをじっくり観察できる期間です。よく噛んでから飲み込んでいるか、お口を閉じて食べられているか、片側だけで噛んでいないか、飲み物で流し込んでいないか――こうした点は、見ようと思って見ないと気づきにくいものです。
気になる様子があれば、休み中の受診のときにそのままお話しいただければと思います。歯みがきの届いていない場所の見直しや、フッ素の活かし方といったご家庭のケアの部分もあわせてご相談いただけます。フッ素そのものの考え方については「子どものフッ素はなぜむし歯予防に効くの?」でくわしくご紹介しています。
混み合う時期の予約と、休み明けの立て直し
長期休みは、同じことを考えておられるご家庭が重なる時期でもあります。そのため、休みに入ってからご連絡をいただくと、ご希望の日時をお取りしにくくなることがあります。回数を分けて進めたい場合はとくに、休みが始まる前の段階で一度ご相談いただくと、日程を組み立てやすくなります。
とはいえ、急いで決めていただく必要はありません。まずは「この休みの間にどこまでやっておきたいか」をご家庭で話しておかれるだけでも、来院時のご相談がスムーズになります。お子さまの様子や学校の予定と照らして、無理のない範囲で進め方を一緒に考えていければと思っています。当院への受診が休みのなかで負担になってしまわないよう、ご希望はそのままお伝えください。
もうひとつ大切なのが、休み明けの立て直しです。休みの間にゆるんだ就寝時刻やおやつの習慣は、放っておくとそのまま続いてしまうことがあります。休みが終わる少し前から、寝る時間と食事の時間を元に戻していくこと、歯みがきの流れをいつもの形に戻すことを意識していただくとよいと考えられています。休み明けの受診を、リズムを立て直す区切りとして使っていただくのもひとつの方法です。
よくあるご質問
Q1. 長期休みでないと受診できませんか?
A. そのようなことはありません。定期的にみていくことは季節を問わず続けていただくものです。長期休みは「回数を分けて進めやすい」「学校を休ませずに済む」といった利点がある期間として、活かしやすいタイミングとしてご案内しています。学期中のご受診も歓迎しています。
Q2. 夏休みの予約はいつごろ相談すればよいですか?
A. 混み合いやすい時期のため、休みが始まる前の段階でご相談いただくと日程を組みやすくなります。とくに何回かに分けて進めたい場合は、早めにお話しいただけると全体の見通しを立てやすくなります。休みに入ってからのご相談でも、できる範囲で調整いたします。
Q3. 休みの間に何回くらい通うことになりますか?
A. お口の状態やお子さまの年齢、慣れ具合によって変わります。状態の確認だけで終わることもありますし、内容によっては何回かに分けて進めるほうがよい場合もあります。実際の回数は、はじめに確認したうえでご相談しながら決めていきます。
Q4. 学校健診で指摘がなければ、休みに受診しなくてもよいですか?
A. 指摘がない時期こそ、状態を保つための通い方を組みやすいタイミングと考えられています。健診は限られた時間で行われるため、見えにくい部分もあります。あらためて歯科で確認しておくことで、変化に早く気づきやすくなります。
Q5. 休み中は生活リズムが崩れがちです。歯みがきはどうすればよいですか?
A. 時間が不規則になりやすい時期ですので、「寝る前は仕上げみがきまで済ませる」といった一点を決めておくと続けやすいとされています。おやつは時間を決め、飲み物をだらだらと飲み続けない工夫も役立ちます。旅行や帰省のときは、道具を持って行くだけでも流れが保ちやすくなります。
📌 長期休みは「時間が取れるタイミング」です
回数を分けて進めやすく、学校を休ませずに済み、お子さまも落ち着いて来られる期間です。
この休みの間にどこまでやっておきたいか、一緒に考えてまいります。
ご相談・ご予約
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック
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📞 050-1784-4369(診療時間内のみ)
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参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 厚生労働省「e-ヘルスネット(歯・口の健康)」
- 学校保健安全法(児童生徒等の健康診断)
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、乳幼児期からのお口の健康とお口の機能(お口育て)の視点を大切に、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。




