子どもの歯肉炎・歯ぐきの腫れ|原因と家庭ケア・受診の目安|小児歯科医監修|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック

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子どもの歯肉炎・歯ぐきの腫れ|原因と家庭ケア・受診の目安|小児歯科医監修|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック

2026年06月23日

監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長)
日本歯科放射線学会 認定医/日本小児歯科学会 所属
神戸市東灘区御影で小児歯科・小児矯正・口腔機能育成を専門に診療
公開日 2026年6月7日/監修日 2026年6月7日

「仕上げ磨きのときに、子どもの歯ぐきが赤く腫れていた」「歯みがきのたびに歯ぐきから血が出る」――東灘区/御影の当院でも、保護者の方からこうしたご相談をいただくことがあります。歯肉炎(しにくえん)は、大人だけの病気ではありません。子どもにも起こり、しかもその多くは家庭でのケアと適切な対応で改善が期待できるものです。

一方で、子どもの歯ぐきトラブルには、生え変わりの時期に特有のものや、まれに見逃せない疾患が隠れていることもあります。本記事では、子どもの歯ぐきトラブルが大人と何が違うのか、歯肉炎の主な原因、歯肉炎と歯周病の違い、家庭でのケアと医院での処置、そして予防のための日常習慣を、神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックがご案内します。お子さまのお口を健やかに育てる「お口育て」の視点も交えてお伝えします。

📑 目次

  1. 子どもの歯ぐきトラブルは大人と何が違うか
  2. 子どもの歯肉炎の主な原因
  3. 歯肉炎と歯周病の違い・見分け方
  4. 家庭でのケアと医院での処置
  5. 予防のための日常習慣と「お口育て」
  6. よくあるご質問

子どもの歯ぐきトラブルは大人と何が違うか

大人の歯ぐきの病気というと、歯を支える骨が溶けていく「歯周病(ししゅうびょう)」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、子どもの歯ぐきトラブルの大半は、骨が溶けるところまでは進んでいない「歯肉炎」の段階です。歯肉炎は、歯ぐきの表面だけに炎症が起きている状態で、適切なケアによって元の健康な歯ぐきに戻ることが期待できます。ここが、進行すると元に戻りにくい大人の歯周病との大きな違いです。

また、子どもは乳歯から永久歯へ生え変わる時期があり、この生え変わりに伴って歯ぐきが一時的に腫れることがあります。歯が歯ぐきを破って出てくるときに起こる「萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)」は、子ども特有のトラブルです。大人と同じ目線だけで判断せず、年齢や生え変わりの段階を踏まえて見ていくことが大切になります。当院では、レントゲン検査も活用しながら、生え変わりの状況とあわせて歯ぐきの状態を確認しています。

子どもの歯肉炎の主な原因

子どもの歯肉炎には、いくつかの原因が重なって起こることがあります。代表的な4つの原因を整理します。お子さまの歯ぐきの状態を考えるときの手がかりにしてください。

原因① プラーク(歯垢)の磨き残し

最も多い原因が、プラーク(歯垢:しこう)の磨き残しです。プラークは細菌のかたまりで、歯と歯ぐきの境目にたまると、その細菌が出す物質によって歯ぐきに炎症が起こります。子どもは細かい部分まで自分で磨くのが難しく、特に奥歯や歯と歯のあいだ、生えかけの歯のまわりに磨き残しが生じやすい傾向があります。歯肉炎の多くは、このプラークを丁寧に取り除くことで改善が期待できます。

原因② 生え変わり期の萌出性歯肉炎

前述の萌出性歯肉炎です。永久歯が歯ぐきを破って生えてくるとき、出かけた歯の頭が歯ぐきにかぶさった状態になり、その部分にプラークがたまりやすくなります。生えかけの6歳臼歯(第一大臼歯)のまわりは、特に磨きにくく腫れやすい場所です。生え変わりが進んで歯が出そろうと自然に落ち着くことも多いですが、その間の清掃が難しいため、仕上げ磨きでのサポートが大切です。

原因③ 思春期のホルモン変化

思春期になると、ホルモンの変化によって歯ぐきが炎症を起こしやすくなることがあります。プラークの量は同じでも、歯ぐきが過敏に反応して赤く腫れたり、出血しやすくなったりするのが特徴です。これは「思春期性歯肉炎」と呼ばれることがあります。ホルモンの影響による反応であるため、丁寧な歯みがきを続けながら成長を見守ることで、自然に落ち着いていくことも少なくありません。腫れが強い場合は、医院でのクリーニングをおすすめします。

原因④ 口呼吸・全身的な要因

いつも口が開いている口呼吸の習慣があると、前歯のまわりの歯ぐきが乾燥し、炎症が起きやすくなることがあります。また、まれにではありますが、全身の状態が歯ぐきに現れることもあります。歯みがきをきちんとしているのに歯ぐきの腫れや出血が強い、急に悪化した、といった場合には、お口だけでなく全身の状態も含めて確認が必要なことがあります。気になる変化があれば、自己判断せず歯科医院でご相談ください。

歯肉炎と歯周病の違い・見分け方

「歯肉炎」と「歯周病(歯周炎)」は、どちらも歯ぐきに関わる病気ですが、進行の程度が異なります。違いを知っておくと、お子さまの歯ぐきの状態を落ち着いて受けとめやすくなります。

歯肉炎は「歯ぐきの表面だけ」の炎症

歯肉炎は、炎症が歯ぐきの表面にとどまっている状態です。歯ぐきが赤く腫れる、歯みがきで出血する、といった症状が見られますが、歯を支える骨にはまだ影響が及んでいません。この段階であれば、プラークを丁寧に取り除くことで、健康な歯ぐきに戻ることが期待できます。子どもの歯ぐきトラブルの多くは、この歯肉炎の段階です。

歯周病は「骨まで及んだ」炎症

歯肉炎を放置して炎症が進むと、歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)が溶けはじめる「歯周病(歯周炎)」へと移行することがあります。子どもで一般的な慢性の歯周病に進むことはまれですが、ごく一部に、若い年代で進行する「若年性歯周炎」と呼ばれるタイプがあります。これは家族内で起こりやすい傾向や、特定の細菌が関わるとされており、早めの発見と対応が大切です。歯みがきをしているのに歯がぐらつく、歯ぐきが下がってきた、といった所見があるときは、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。

受診の目安となるサイン

次のようなサインが見られるときは、歯科医院での確認をおすすめします。歯ぐきの赤みや腫れが数週間続く、歯みがきのたびに出血する、歯ぐきから膿(うみ)のようなものが出る、永久歯なのに歯がぐらつく、口臭が強くなった、などです。歯ぐきの出血や腫れについては、別記事「子どもの歯ぐきから血が出る|原因と家庭での対応」「子どもの歯ぐきが腫れているとき|考えられる原因」もあわせてご覧ください。

家庭でのケアと医院での処置

子どもの歯肉炎は、家庭でのケアと医院での処置を組み合わせることで、改善を目指していきます。それぞれのポイントをご説明します。

家庭でできるケア

基本は、プラークをしっかり取り除く歯みがきです。歯と歯ぐきの境目に毛先を当て、力を入れすぎず小刻みに動かします。出血すると怖くなって磨くのをやめてしまいがちですが、炎症のある歯ぐきはやさしく磨いて清潔にすることで、かえって落ち着いていくことが多いものです。低学年までのお子さまは、保護者の方の仕上げ磨きが欠かせません。生えかけの歯や奥歯のまわりは特に意識して磨いてあげてください。

医院での処置

歯科医院では、お子さま自身では取りきれないプラークや歯石を、歯科衛生士が専用の器具でクリーニング(スケーリングなど)します。あわせて、お子さまの歯並びや生え変わりの段階に合わせた歯みがきの方法をお伝えし、苦手な部分を一緒に確認します。当院では、お子さまが歯医者を怖がらないよう、声かけや段階的な慣らしを大切にしながら進めています。炎症の原因がはっきりしない場合や、若年性歯周炎が疑われる場合には、レントゲン検査などで歯を支える骨の状態を確認します。

予防のための日常習慣と「お口育て」

歯肉炎は、日々の習慣で予防が期待できるトラブルです。当院が大切にしている「お口育て」の視点も交えて、ご家庭で取り組めることをご紹介します。

毎日の歯みがきと仕上げ磨きの習慣

歯肉炎予防の基本は、毎日の歯みがきでプラークをためないことです。お子さまの年齢に合った歯ブラシを選び、特に夜の仕上げ磨きを習慣にしましょう。歯と歯のあいだは歯ブラシだけでは届きにくいため、お子さまの成長に応じてデンタルフロスの使用も検討してみてください。仕上げ磨きは、いやがるお子さまには短時間からでも構いません。毎日続けることが何よりの予防になります。

「お口育て」で土台から整える

「お口育て」とは、歯並びだけでなく、噛む力・舌の使い方・呼吸・姿勢を含めた口腔機能の発達を、成長の時期に整えていく考え方です。よく噛んで食べることは、唾液の分泌をうながし、お口の中を清潔に保つ助けになります。また、口を閉じて鼻で呼吸する習慣は、前歯まわりの歯ぐきの乾燥を防ぎます。歯みがきという「掃除」だけでなく、お口の機能そのものを育てることが、歯ぐきの健康にもつながると当院は考えています。

定期的なチェックで早く気づく

歯肉炎は早く気づくほど、家庭でのケアで改善しやすくなります。定期的に歯科医院に通うことで、初期の段階で気づき、磨き残しの場所や歯みがきのくせを早めに見直すことができます。むし歯の予防とあわせた予防歯科の通い方については、別記事「子どもの定期健診・フッ素塗布・予防歯科まとめ」もご参照ください。歯ぐきの炎症が、むし歯のリスクと一緒に見つかることもあります。治療が必要なむし歯については「子どもの虫歯治療|進行ステージ別の対応」でご案内しています。

よくあるご質問

Q1. 歯みがきで歯ぐきから血が出ます。磨かない方がいいですか?

A. 出血があると磨くのをためらってしまいますが、多くの場合は炎症のある歯ぐきにプラークがたまっているサインです。やさしく丁寧に磨いて清潔に保つことで、歯ぐきの炎症が落ち着き、出血も減っていくことが多いです。強くこすりすぎないよう、力を抜いて磨いてあげてください。数週間続けても出血が改善しない場合は、歯科医院でご相談ください。

Q2. 子どもでも歯周病になりますか?

A. 子どもの歯ぐきトラブルの多くは、骨が溶けるところまでは進んでいない歯肉炎の段階です。大人に多い慢性の歯周病に進むことはまれですが、ごく一部に若い年代で進行する若年性歯周炎というタイプがあります。歯がぐらつく、歯ぐきが下がる、といった所見があるときは、早めに歯科医院で確認してもらうと安心です。

Q3. 生えかけの永久歯のまわりだけ腫れています。大丈夫ですか?

A. 永久歯が生えてくるときに起こる萌出性歯肉炎の可能性があります。生えかけの歯はプラークがたまりやすく、歯ぐきがかぶさって磨きにくいため、一時的に腫れることがあります。歯が出そろうと自然に落ち着くことも多いですが、痛みが強い、腫れが大きい、食事がとりにくいといった場合は、歯科医院でご相談ください。仕上げ磨きでその部分を清潔に保つことが大切です。

📌 子どもの歯肉炎は、早めのケアで落ち着くことが多いトラブルです

毎日のやさしい歯みがきと仕上げ磨き、そして定期的なチェックが予防の基本です。
歯ぐきの赤みや腫れ、出血が気になるときは、お気軽に当院までご相談ください。

🦷 みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック

📍 〒658-0048 神戸市東灘区御影郡家1-34-9
📞 050-1784-4369(代表)
🚉 阪神御影駅徒歩7分/阪急御影駅徒歩9分/JR住吉駅徒歩12分

院長 河崎 真也(日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)

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📚 参考文献

  • 日本歯周病学会『歯周治療のガイドライン』
  • 日本小児歯科学会『小児の歯周疾患マニュアル』
  • American Academy of Pediatric Dentistry(AAPD)『Periodontal Diseases of Children and Adolescents』
  • 医歯薬出版『小児歯科学』第6版
監修者プロフィール
河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
日本歯科放射線学会 認定医/日本小児歯科学会 所属
神戸市東灘区御影で、小児歯科・小児矯正・口腔機能育成(お口育て)を専門に診療。子どもの歯ぐきトラブルについては、生え変わりの段階や全身の状態も踏まえ、レントゲン診断と長期的な視点でご家族にご説明しています。

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