【小児歯科医監修】子どものフッ素はなぜ虫歯予防に効くの?使い方と歯科での塗布|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年10月18日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年7月4日 / 初回公開:2017年
本記事は、子どものフッ素(フッ化物)について、虫歯予防に関わるとされるしくみ・ご家庭での歯みがき剤の選び方と使い方の目安・歯科医院でのフッ素塗布・受診の目安を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「フッ素は虫歯予防によいと聞くけれど、どうして効くの?」「うちの子の歯みがき粉、フッ素はどれくらい入っていればいいの?」「歯医者さんで塗ってもらうフッ素と、家の歯みがき粉のフッ素は違うの?」――東灘区/御影の当院でも、保護者の方からフッ素についてのご質問をよくいただきます。
この記事では、フッ素(フッ化物)が虫歯予防に関わるとされるしくみ、ご家庭での歯みがき剤の選び方と使う量の目安、歯科医院で行うフッ素塗布、そして受診の目安まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。フッ素はあくまで「毎日のケア」と「食習慣」「歯みがき」と組み合わせて役立つものです。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックが、お子さまのお口の健康を「お口育て」の視点でご案内します。
目次
フッ素はなぜ虫歯予防に関わるとされるの?
歯の表面をおおう一番外側の層は「エナメル質」といい、ヒドロキシアパタイトという結晶でできています。むし歯は、お口の中の細菌が糖を分解してつくる酸によって、このエナメル質からカルシウムやリンが溶け出す(脱灰)ことから始まると考えられています。
フッ素(フッ化物)には、次のようなはたらきがあると報告されています。いずれも「必ずむし歯を防ぐ」というものではなく、毎日のケアと組み合わせて予防に役立つと考えられているものです。
- 再石灰化を助ける — 酸で溶け出しかけた歯の表面に、カルシウムやリンが戻る「再石灰化」を促すはたらきがあるとされています。
- 歯を酸に強くする — フッ素がエナメル質に取り込まれると、酸にとけにくいフルオロアパタイトという構造に変わり、歯質が強化されると考えられています。
- 細菌のはたらきをおさえる — お口の中の細菌が酸をつくる活動をおさえる方向にはたらくと報告されています。
生えたての歯こそフッ素を活かしたい理由
生えたばかりの乳歯や永久歯は、エナメル質がまだ十分に成熟していない状態(幼若エナメル質)で、酸のダメージを受けやすいと考えられています。この時期は、みがき残しがむし歯につながりやすい時期でもあります。
成熟していく途中の歯にフッ素を継続的に取り入れていくことは、歯質が整っていくうえで役立つと考えられています。とくに、奥歯の永久歯(6歳臼歯)が生えてくる時期や、乳歯が生えそろっていく時期は、ご家庭でのケアとあわせてフッ素を意識しておきたいタイミングです。歯の生え変わりの時期については、別記事「歯の生え変わり時期の痛み|5つの原因とご家庭でできる対処法」もあわせてご覧ください。
ご家庭での歯みがき剤の選び方・使う量の目安
市販の歯みがき剤の多くにはフッ素が配合されていますが、フッ素の濃度(ppm)は商品によって異なります。パッケージの表示を確認する習慣をつけておくと安心です。関係学会からは、年齢に応じた濃度と使用量の目安が示されています。おおまかな考え方は次のとおりです。
- 歯が生えてから2歳ごろまで — ごく少量(米粒ほど)を目安にするとされています。この時期はまだうがいが上手にできないため、量を少なめにする配慮がすすめられています。
- 3〜5歳ごろ — グリーンピースほどの量が目安とされています。
- 6歳ごろ以降 — うがいができるようになり、より多くの量を使えるようになっていきます。
ブクブクうがいができるかどうかで、使いやすい形(ジェル・泡・フォームなど)や量も変わってきます。使ったあとは、少量の水で軽くすすぐ程度にとどめると、フッ素がお口に残りやすいとされています。お子さまの年齢や発達に合った選び方は個人差がありますので、迷ったときは歯科でご相談ください。当院でも、お子さまの状態に合わせた歯みがき剤の選び方や使い方をご案内しています。
歯科医院で行うフッ素塗布とは
歯科医院で行うフッ素塗布は、ご家庭の歯みがき剤よりも高い濃度のフッ素を歯の表面に塗る予防処置です。定期的に受けることで、ご家庭でのケアを補う位置づけになります。塗布のあとは一定時間、飲食を控えていただくことがあります。
フッ素塗布は、お口の状態やお子さまの年齢などの条件によって、健康保険が適用される場合と自由診療となる場合があります。適用の可否は個々の状況によって異なりますので、費用や回数の目安をふくめて、受診時にご説明します。定期的な健診とフッ素塗布、予防歯科の考え方については、別記事「子どもの定期健診・フッ素塗布・予防歯科まとめ」もご参照ください。
フッ素だけに頼らない虫歯予防の考え方
フッ素は虫歯予防に役立つと考えられていますが、フッ素を使えばむし歯にならない、というものではありません。むし歯を防ぐには、次のような要素を組み合わせていくことが大切です。
- 毎日のていねいな歯みがき — とくに小さいうちは、保護者の方による仕上げみがきが大切です。
- おやつ・飲みものの取り方 — だらだら食べ・だらだら飲みを避け、時間を決めることが予防につながります。おやつの取り方については、別記事「むし歯を予防するためのおやつの食べ方」もご覧ください。
- 定期的な歯科健診 — お口の状態を定期的に確認することで、早い段階で気づくことができます。
- フッ素の活用 — ご家庭のケアと歯科でのフッ素塗布を組み合わせます。
よくあるご質問
Q1. フッ素は何歳から使えますか?
A. 歯が生えはじめたら、年齢に合わせて少量から使い始めることができるとされています。小さいうちはうがいが難しいため、量を少なめにするなどの配慮がすすめられています。お子さまの発達に合わせた使い方は個人差がありますので、迷うときは歯科でご相談ください。
Q2. フッ素塗布はどのくらいの間隔で受ければよいですか?
A. お口の状態やむし歯のリスクによって異なります。定期健診の機会に合わせて受けていただくことが多いですが、間隔の目安はお子さまの状態を見てご案内します。
Q3. 家でフッ素の歯みがき剤を使っていれば、歯科での塗布は必要ないですか?
A. ご家庭でのケアと歯科でのフッ素塗布は、濃度や役割が異なります。どちらか一方だけというより、組み合わせて予防に取り組む考え方がすすめられています。
📌 フッ素は「生えたての歯の時期」から活かしたいケアです
ご家庭でのケアと歯科でのフッ素塗布を組み合わせて、無理なく予防に取り組んでいきましょう。
使い方に迷ったら、お気軽にご相談ください。
ご相談・ご予約
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック
📍 〒658-0048 神戸市東灘区御影郡家1-34-9
📞 050-1784-4369(診療時間内のみ)
🚉 阪急/阪神「御影駅」より徒歩約7分/JR神戸線「住吉駅」より徒歩約13分(お子さま連れの場合は15〜20分程度)
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参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 一般社団法人 日本口腔衛生学会「フッ化物応用に関する見解」
- 厚生労働省「歯の健康」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、むし歯予防やフッ素の活用を含めたお口の機能(お口育て)の視点から、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。




