【小児歯科医監修】子どもの矯正に医療費控除は使える?|対象の考え方と必要な書類・申告の流れ|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影

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【小児歯科医監修】子どもの矯正に医療費控除は使える?|対象の考え方と必要な書類・申告の流れ|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影

2026年08月8日

執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)

最終更新日:2026年8月8日 / 初回公開:2026年8月8日

お子さまの矯正を考えるとき、医療費控除が使えるのかどうかは気になるところだと思います。医療費控除がどういう制度とされているのか、子どもの矯正はどう扱われることが多いのか、どんな書類が必要とされているのかを、神戸市東灘区御影の小児歯科の視点で整理しました。税の取り扱いは個別の事情によって変わりますので、最終的なご判断は国税庁の情報や所轄の税務署でご確認ください。

「子どもの矯正でも医療費控除は使えるのでしょうか」「確定申告をしたことがないのですが、何を用意すればよいですか」――東灘区/御影の当院でも、矯正のご相談の場でこうしたお問い合わせをいただくことがあります。お子さまの矯正は期間が長くなることもあり、ご家庭の負担をできるだけ軽くしたいというお気持ちは、とても自然なものだと思います。

この記事では、医療費控除という所得税の制度がどのような仕組みとされているのか、子どもの矯正がどのように扱われることが多いのか、そして申告に向けて何を準備しておくとよいのかを、わかりやすい言葉でお伝えします。あわせて、自治体のこども医療費助成との違いも整理します。なお私たちは税の専門家ではありませんので、この記事は一般的な考え方のご案内にとどめています。実際の取り扱いは、国税庁の情報や所轄の税務署でお確かめいただくようお願いいたします。

目次

  1. 医療費控除とはどんな制度?
  2. こども医療費助成とは別の制度です
  3. 子どもの矯正は医療費控除の対象になる?
  4. 保険診療か自費診療かで変わるの?
  5. 対象になるとされる費用・ならないとされる費用
  6. 申告に向けて用意しておきたい書類
  7. 確定申告の流れ|いつ・どこで手続きする?
  8. 当院の考え方|お口育ての視点と費用のご相談

医療費控除とはどんな制度?

医療費控除は所得税の制度のひとつで、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その分を所得から差し引くことができる仕組みとされています。所得が少なく計算されることによって、結果として納めた税金の一部について還付を受けられる場合があります。会社にお勤めの方の年末調整では扱われない項目とされているため、ご自身で確定申告をして手続きする流れになります。

ここで誤解されやすいのが、「支払った医療費がそのまま戻ってくる制度ではない」という点です。医療費控除は、あくまで所得から一定の金額を差し引く「所得控除」の仕組みとされています。したがって、還付される金額があるとしても、それは支払った医療費の額そのものではなく、ご家庭の所得の状況によって変わってくると考えられています。どのくらいの金額になるかについては個別の事情に大きく左右されますので、この記事では試算はいたしません。くわしくは国税庁の情報でご確認ください。

もうひとつ知っておいていただきたいのが、生計を一にするご家族の医療費を合算できるとされている点です。お子さまの矯正の費用だけでは一定額に届かない場合でも、同じ年にご家族が支払った医療費とあわせて考えることで、対象になる場合があります。ご家庭全体でその年の医療費を見渡してみる、という視点を持っていただくとよいと思います。

こども医療費助成とは別の制度です

お子さまの歯科治療に関するお金の話でよく混同されるのが、自治体のこども医療費助成と、この医療費控除です。この二つはまったく別の制度です。こども医療費助成は市区町村が行っている制度で、保険診療を受けたときの窓口でのお支払いを軽くしてくれるものです。一方で医療費控除は国の税の制度で、1年分の医療費をまとめて申告し、所得から差し引く手続きです。窓口で使うものと、あとから申告するもの、という違いがあると整理していただくとわかりやすいと思います。

この違いを押さえておくと大事なことがひとつ見えてきます。助成によってご家庭が実際にお支払いをしていない分については、「支払った医療費」として医療費控除の対象に含めない扱いになると考えられています。つまり、助成で負担がなかった部分を控除にも重ねて計上することはできない、という考え方です。同じように、加入している健康保険から高額療養費や給付金などを受け取った場合も、その分を差し引いて考えるとされています。

こども医療費助成そのものの内容や、歯科治療でどのように使われているかについては、別記事「子どもの医療費助成と歯科治療」でくわしくご紹介しています。助成の対象範囲や手続きは自治体ごとに定められていますので、お住まいの市区町村の案内もあわせてご確認ください。この記事では、以降は税の制度である医療費控除に絞ってお話しします。

子どもの矯正は医療費控除の対象になる?

歯列矯正について、医療費控除の取り扱いは「何のために行う治療なのか」という目的によって変わるとされています。噛み合わせや発音、お口のはたらきといった機能的な問題を改善することを目的とした矯正であれば、対象になる場合があると説明されています。一方で、見た目を整えることが主な目的と判断される場合には、対象にならないものとして扱われることがあるとされています。

そのうえで、成長期のお子さまの矯正については、発育をうながすために行われる治療として、機能的な目的が認められやすいと説明されることが多くあります。お子さまの場合は顎の成長やお口のはたらきの育ちと切り離せないためです。ただしこれは「子どもなら対象になる」と言い切れる話ではなく、個々の事情をふまえた最終的な判断は所轄の税務署によることになります。ご不安があれば、申告の前に税務署へお問い合わせいただくのが安心です。

当院では、成長を活かす矯正的な関わりのご相談は5歳ごろからを目安にご案内しています。開始時期の考え方については「小児矯正はいつから?」、治療がどのように進んでいくのかについては「子どもの歯列矯正の流れ|1期・2期治療」でくわしくまとめています。どのような目的で、どの時期にどんな関わりをしていくのかがはっきりしていることは、ご家庭が制度を検討されるうえでも助けになると考えています。

保険診療か自費診療かで変わるの?

「自費の治療だから医療費控除は使えないのでは」というご質問をいただくことがあります。医療費控除は、保険が使える治療だけを対象とする制度ではないと考えられています。自費でお支払いになった歯科治療についても、治療として必要と認められるものであれば対象になる場合があるとされています。保険が使えるかどうかという線引きと、医療費控除の対象になるかどうかという線引きは、別のものさしだとご理解いただくとよいと思います。

お子さまの矯正の多くは自費診療として行われます。保険診療と自費診療がどう違うのか、どういう考え方で分かれているのかについては、別記事「保険診療と自費診療の違い」で整理していますので、あわせてご覧ください。保険が使えるかどうかというご質問は、そちらの記事でお答えしています。

ただし、自費であれば何でも対象になるという意味ではありません。前の章でお伝えしたとおり、判断のポイントは治療の目的にあるとされています。歯科でお支払いになるもののなかには、治療とは別の性質を持つものが含まれることもあります。ご自身のケースがどう扱われるかについては、お手元の領収書の内容をもとに、税務署でご確認いただくことをおすすめします。

対象になるとされる費用・ならないとされる費用

医療費控除では、治療そのものの費用に加えて、通院にかかった交通費も対象になる場合があるとされています。電車やバスといった公共交通機関を使って通院した際の運賃がこれにあたります。お子さまの通院では保護者の付き添いが必要になることが多いと思いますが、付き添いの方の交通費についても、お子さまの通院に必要と認められる場合には対象になることがあるとされています。

一方で、対象にならないものとして扱われるとされているものもあります。よく知られているのが、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車料金です。これらは対象外とされていますので、お車で通われている方は、交通費として計上できないものと考えておいていただくとよいと思います。また、治療とは直接関わらない物品の購入費用なども、対象の範囲から外れる場合があります。

お支払いの方法によって、どの年の医療費として数えるのかという考え方が変わることもあるとされています。たとえば分割でお支払いになる場合、その年のうちにお支払いになった分をその年の医療費として扱う考え方と、別の考え方があると説明されており、扱いが一律ではありません。当院では分割のお支払い方法についてもご相談をお受けしていますので、お気軽におたずねください。そのうえで、税の取り扱いについては国税庁の情報や税務署でお確かめいただくのが確実です。

申告に向けて用意しておきたい書類

医療費控除の手続きでいちばん基本になるのは、医療機関でお渡しした領収書です。矯正は治療期間が長くなることもありますので、お渡しした領収書はその都度ファイルなどにまとめて保管しておいてください。年をまたぐ場合は、年ごとに分けて保管しておくと、あとで集計するときに助かります。再発行が難しい場合もありますので、なくさないようにしておくことが大切です。

申告の際には「医療費控除の明細書」を使って、支払った医療費の内容をまとめて記載する形になっています。加入している健康保険から届く医療費通知を使うことで記載を簡略化できる場合もあるとされています。交通費については領収書が出ないことが多いため、通院した日付、利用した区間、金額をその都度メモに残しておくとよいと思います。あとからまとめて思い出すのは大変ですので、通院のたびに書き足す習慣にしておくと安心です。

診断書などの書類が求められるかどうかについては、ケースによって異なるとされています。歯科医院が発行できる書類には限りがありますが、当院では、どのような目的でどの時期にどんな治療を行っているのかを、ご家庭にわかるようにご説明することを大切にしています。書類が必要かどうかをまず税務署にご確認いただき、そのうえで当院で対応できることがあればご相談ください。ご準備のお手伝いができる範囲でお力になります。

確定申告の流れ|いつ・どこで手続きする?

医療費控除は、1年分の医療費をまとめて、翌年の確定申告の期間に手続きするのが基本的な流れとされています。手続きの方法としては、国税庁のオンラインの仕組みを使う方法、必要書類を郵送する方法、税務署の窓口で提出する方法などがあります。近年はオンラインでの申告が使いやすくなってきていますので、ご自宅のパソコンやスマートフォンから手続きされる方も増えているようです。

会社にお勤めの方の場合、年末調整で税の手続きが終わっているように感じられるかもしれませんが、医療費控除は年末調整では扱われない項目とされています。そのため、お勤めの方もご自身で確定申告をする必要があります。はじめての方には手続きがむずかしく感じられるかもしれませんが、税務署では申告時期に相談の受付をしていることが多いので、わからないところは直接おたずねになるのがよいと思います。

なお、申告をしそこねてしまった過去の年の分についても、あとから手続きができる場合があるとされています。「去年の分を出していなかった」という場合もあきらめず、まずは所轄の税務署にご相談ください。手続きができる期間や必要な書類は決められていますので、その点も含めて国税庁の情報や所轄の税務署でご確認ください。

当院の考え方|お口育ての視点と費用のご相談

当院は、歯並びの見た目を整えることだけを目的に矯正を考えてはいません。噛む・飲み込む・話すといったお口のはたらきを、成長にあわせて育てていく「お口育て」の視点を大切にしています。歯並びは、顎の育ちやお口のはたらきの結果として表れてくる面があると考えられています。ですから当院では、いまのお口の状態と成長の見通しをご家庭と共有したうえで、どの時期にどんな関わりをしていくのがよいかを一緒に考えていきます。

この「何を目的とした治療なのか」という点は、実は医療費控除の考え方とも重なるところがあります。お子さまの矯正について、どのような目的で、どんな見通しで進めていくのかがはっきりしていることは、ご家庭が制度をご検討されるうえでも意味を持つと考えています。当院では税に関する判断はできませんが、治療の目的や内容についてご家庭にわかるようご説明することは、私たちの役割だと思っています。

費用のことは、なかなか切り出しにくいテーマかもしれません。けれども、ご家庭の状況を無理なく続けられる形で組み立てることは、お子さまの治療を最後まで続けていくうえでとても大切です。分割のお支払い方法についてもご相談をお受けしていますので、遠慮なくおたずねください。東灘区/御影の地域のお子さまが、長い成長の期間をとおして安心して通い続けられるようお手伝いしたいと考えています。日ごろの通い方の目安は「子どもの定期健診・フッ素塗布・予防歯科まとめ」でもご紹介しています。

よくあるご質問

Q1. 子どもの矯正なら医療費控除の対象になると考えてよいですか?

A. 成長期のお子さまの矯正は、発育をうながす目的の治療として機能的な目的が認められやすいと説明されることが多くあります。ただし、対象になるかどうかの最終的な判断は所轄の税務署によることになりますので、そう決まっているものとしてお伝えすることはできません。申告の前に、国税庁の情報や税務署でお確かめください。

Q2. こども医療費助成を使っています。医療費控除も受けられますか?

A. 二つは別の制度です。ただし、助成によって実際にお支払いをしていない分は「支払った医療費」に含めない扱いになると考えられています。助成の対象外だった費用について、ご家庭が支払った分を集計して考える形になります。助成制度そのものについては「子どもの医療費助成と歯科治療」もご覧ください。

Q3. 子どもの矯正費用だけでは金額が足りないようです。どうすればよいですか?

A. 生計を一にするご家族が同じ年に支払った医療費を合算できるとされています。ご家庭全体でその年の医療費を見渡してみてください。歯科以外の通院や、保護者の方の医療費も含めて考えることになります。合算できる範囲についても国税庁の情報でご確認ください。

Q4. 歯科医院に診断書を書いてもらう必要がありますか?

A. 書類が求められるかどうかはケースによって異なるとされています。まずは税務署に必要な書類をご確認いただき、そのうえで当院で対応できることがあればご相談ください。治療の目的や内容についてのご説明は、いつでもお受けしています。

Q5. 通院の交通費も申告できますか?

A. 電車やバスなど公共交通機関を使った通院の運賃は対象になる場合があるとされています。お子さまの通院に付き添いが必要な場合、付き添いの方の分も対象になることがあるとされています。一方で、自家用車のガソリン代や駐車料金は対象外とされています。領収書が出ないぶんは、日付・区間・金額をメモに残しておいてください。

📌 費用のご相談も、遠慮なくお聞かせください

お子さまの治療を最後まで続けていくために、無理のない形を一緒に考えます。
治療の目的と見通しを、ご家庭にわかるかたちでご説明します。
税の取り扱いについては、国税庁の情報や所轄の税務署でのご確認をお願いいたします。

ご相談・ご予約

みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック

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参考文献・参考資料

  • 国税庁 医療費控除に関する情報
  • 国税庁 確定申告書等作成コーナー(医療費控除の明細書)
  • 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
  • 一般社団法人 日本小児歯科学会
  • 厚生労働省「e-ヘルスネット(歯・口の健康)」

執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)

みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会

神戸市東灘区御影で、乳幼児期からのお口の健康とお口の機能(お口育て)の視点を大切に、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。

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