【小児歯科医監修】子どものおやつとむし歯|だらだら食べを防ぐ食べ方と選び方|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年09月21日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年7月4日 / 初回公開:2017年
本記事は、子どものおやつとむし歯の関わりについて、だらだら食べを避けたい理由・むし歯になりやすいおやつとなりにくいおやつの考え方・年齢ごとの与え方の工夫・受診の目安を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「甘いおやつはむし歯になりやすいの?」「おやつはどう食べさせればいい?」「ジュースを飲み続けるのはよくない?」――東灘区/御影の当院でも、子どものおやつについて保護者の方からよくご相談をいただきます。おやつは子どもにとって大切な楽しみであり、栄養を補う役割もありますが、食べ方や選び方によってはむし歯のリスクに関わることがあると考えられています。
この記事では、おやつとむし歯の関わり、お口の中で起きている「脱灰」と「再石灰化」、むし歯になりやすいおやつの考え方、年齢ごとの与え方の工夫、そして受診の目安まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。おやつの取り方は、お口の機能を育てる「お口育て」の視点からも大切なテーマです。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックがご案内します。
目次
おやつとむし歯の関わり|「だらだら食べ」を避けたい理由
おやつでむし歯を考えるとき、「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」がとても大切だと考えられています。とくに気をつけたいのが、時間を決めずに少しずつ長く食べ続ける「だらだら食べ」です。
甘いものを口にすると、お口の中にいる細菌が糖を取り込んで酸をつくり、お口の中は酸性に傾きます。この状態が長く続くほど、歯の表面がダメージを受けやすくなると考えられています。同じ量のおやつでも、時間を決めて一度に食べる場合と、少しずつだらだら食べる場合とでは、お口の中が酸性に傾いている時間が変わってきます。
お口の中で起きている「脱灰」と「再石灰化」
お口の中では、いつも次の2つのはたらきが繰り返されていると考えられています。この2つのバランスが、むし歯の予防に関わるとされています。
- 脱灰(だっかい) — 酸によって歯の表面からカルシウムやリンが溶け出すことです。甘いものを食べた直後から起こると考えられています。
- 再石灰化(さいせっかいか) — 唾液のはたらきで、溶け出したカルシウムやリンが歯に戻ることです。時間がたつと、お口の中が中性に近づき進むとされています。
だらだら食べを続けていると、お口の中が酸性のままになり、再石灰化が追いつきにくくなると考えられています。逆に、食事と食事のあいだに時間をあけると、唾液によって歯が回復する時間ができます。フッ素はこの再石灰化を助けると考えられており、くわしくは別記事「子どものフッ素はなぜ虫歯予防に効くの?使い方と歯科での塗布」もご覧ください。
むし歯になりやすいおやつ・なりにくいおやつ
おやつの種類によっても、むし歯のリスクに違いがあると考えられています。目安として、次のような傾向があるとされています。「これは絶対だめ」というより、食べ方や頻度とあわせて考えていくことが大切です。
- 気をつけたいおやつ — 砂糖が多く、歯にくっつきやすく、お口の中に長くとどまるものです。キャラメル・ヌガー・ドロップ・ガム・チョコレートなどが挙げられます。
- 比較的リスクが低いとされるおやつ — 甘さが控えめで、お口に残りにくいものです。おにぎり・ふかしいも・果物・チーズ・無糖のヨーグルトなどが挙げられます。
とくに3歳ごろまでは、味の好みが育っていく時期でもあります。糖分の多いおやつや甘い飲みものを毎日の習慣にしすぎないよう、無理のない範囲で工夫してみてください。よく噛んで食べることは、唾液を出しやすくする観点からも役立つと考えられています。
年齢ごとのおやつの与え方の工夫
1〜2歳ごろ
この時期のおやつは、食事で足りない栄養や水分を補う「補食」の意味合いが大きいと考えられています。甘いお菓子よりも、おにぎりや果物などを取り入れ、時間を決めて与えるとよいでしょう。
3〜5歳ごろ
友だちとのおやつや外出先での間食が増えてくる時期です。「おやつは1日1回、3時に」など、家庭でのルールを決めておくと、だらだら食べを防ぎやすくなります。食べたあとは、うがいや歯みがきの習慣づけも意識したい時期です。
就学ごろ以降
自分でおやつを選ぶ機会が増えていきます。頭ごなしに禁止するより、「だらだら食べない」「食べたら歯をみがく」といった考え方を、少しずつ自分で意識できるよう声をかけていくとよいでしょう。
飲みもの・仕上げみがきで気をつけたいこと
見落とされやすいのが「飲みもの」です。ジュースやスポーツドリンク、乳酸菌飲料などには糖分が含まれているものが多く、少しずつ飲み続けると、お口の中が酸性に傾いた状態が続きやすくなると考えられています。ふだんの水分補給は水やお茶を基本にすると安心です。
また、おやつや食事のあとの歯みがきも大切です。とくに小さいうちは、保護者の方による仕上げみがきで、みがき残しを防いであげてください。すぐにみがけないときは、まずうがいだけでもしておくとよいでしょう。仕上げみがきの進め方については、別記事「子どもの歯磨き完全ガイド|年齢別の仕上げ磨きとむし歯予防のコツ」もご参照ください。
よくあるご質問
Q1. 甘いおやつは食べさせないほうがよいですか?
A. 完全に禁止する必要はないと考えられています。大切なのは「だらだら食べない」「時間を決める」「食べたあとにケアをする」という食べ方の工夫です。おやつは子どもにとって大切な楽しみでもありますので、無理のない範囲で整えていきましょう。
Q2. ガムはむし歯によくないですか?
A. 砂糖を含むガムは歯にくっつきやすく、注意したいおやつのひとつです。ガムを選ぶなら、キシリトールなど糖類を使っていないものを選ぶ考え方があります。よく噛むことは唾液を出しやすくする観点でも役立つとされています。
Q3. おやつのあと、すぐ歯みがきできないときはどうすればよいですか?
A. すぐにみがけないときは、まず水やお茶でうがいをしておくとよいでしょう。そのうえで、帰宅後や就寝前にしっかり仕上げみがきをしてあげてください。とくに寝る前のケアは大切にしたいところです。
📌 おやつは「何を」よりも「どう食べるか」がポイントです
時間を決めて、だらだら食べを避け、食べたあとのケアを習慣に。
迷ったときは、お気軽にご相談ください。
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参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 厚生労働省「歯の健康」「e-ヘルスネット」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、おやつや食習慣を含めたお口の機能(お口育て)の視点から、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。




