子どもの口内炎|種類・原因・受診の目安|小児歯科医監修|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック
2026年05月2日
監修・執筆者
河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
日本歯科放射線学会 認定医/日本小児歯科学会 所属
初回公開日:2026年05月02日
「うちの子、口の中が痛いって言って全然ご飯を食べてくれないんです。見てみたら白いものができていて…これって口内炎ですか?」。そんなご相談を、東灘区・御影エリアの保護者の方からよくいただきます。
子どもの口内炎は、原因や種類によって対応が異なります。多くは数日〜2週間ほどで自然に改善しますが、なかには歯科・医療機関での診察が望ましいケースもあります。「どんな口内炎か」「いつから続いているか」「ほかに症状はあるか」の3点を確認すれば、受診のタイミングを判断できます。この記事では種類・原因・ご家庭での対応・受診の目安をまとめてご説明します。
目次
- 子どもの口内炎 よくある3つの種類
- 種類別の主な原因
- 「食事を嫌がる」以外のサイン 見逃しやすい症状
- ご家庭でできるケアと痛みの和らげ方
- 受診の目安チェックリスト
- 歯科で行う診察・治療の流れ
- 繰り返す口内炎を予防するために
- まとめ 東灘区・御影エリアの保護者の方へ
1. 子どもの口内炎 よくある3つの種類
口内炎と一口に言っても、見た目や症状が異なる複数の種類があります。まず「どのタイプか」を見極めることが、適切な対応への第一歩です。
① アフタ性口内炎(最も多いタイプ)
白〜淡黄色の円形のただれが口の中の粘膜(頬の内側・舌・唇の裏など)にできます。周囲が赤く腫れ、触れると強い痛みを感じるのが特徴です。直径2〜10mm程度で、1〜5個程度できることが多く、1〜2週間ほどで自然に消えることがほとんどです。発熱を伴わないことが多いのも目安の一つです。
② ウイルス性口内炎(ヘルペス・手足口病など)
単純ヘルペスウイルスによる「ヘルペス性歯肉口内炎」は、口の中全体に多数の水疱(小さな水ぶくれ)が散在し、高熱(38〜40℃)を伴うことが多いです。歯ぐきが真っ赤に腫れて出血しやすくなる点も特徴です。また、夏〜秋に多いコクサッキーウイルス感染による手足口病でも、口の中に水疱性の口内炎が生じます。いずれも感染症のため、集団生活での注意が必要です。
③ 外傷性口内炎(擦り傷・噛み傷)
歯の尖った部分・矯正装置・食器・おもちゃなどが口の粘膜を傷つけることで起こります。原因が取り除かれれば比較的早く改善しますが、矯正装置が当たり続けているなど刺激が持続する場合は治りが遅くなることがあります。傷のある場所と装置・歯の位置関係を確認してみてください。
④ カンジダ性口内炎(乳幼児に注意)
カンジダという真菌(かび)による感染で、口の中の粘膜に白いミルクかすのような膜ができます(鵞口瘡〈がこうそう〉とも呼ばれます)。拭き取ろうとしても取れにくく、無理に取ると赤くただれることがあります。免疫が発達途上の乳幼児や、長期的な薬剤使用後などに見られることがあります。
2. 種類別の主な原因
口内炎が繰り返し起こるとき、「なぜできるのか」を知ることが予防につながります。
アフタ性口内炎の主な原因
明確な原因は現時点では特定されていませんが、次のような要因が重なることで発症しやすくなると考えられています。
- 睡眠不足・疲労・強いストレスによる免疫力の低下
- ビタミンB群(B₂・B₆・B₁₂)や鉄・亜鉛などの栄養不足
- 誤って口の内側を噛んでしまったなどの軽微な外傷
- 歯磨き粉に含まれるラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)への過敏
- 食品アレルギーや特定食材(ナッツ類・チーズ等)への反応
ウイルス性口内炎の主な原因
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は、感染者との接触(唾液・食器の共用など)によってうつります。初感染は1〜5歳頃に起こりやすく、再感染・再活性化では軽症になる傾向があります。手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)も夏〜初秋の集団感染が多く、托児所・保育園・小学校での流行期に注意が必要です。
外傷性・その他の原因
矯正装置(ブラケット・ワイヤー)の突起が当たり続けることや、欠けた歯・尖った詰め物が粘膜を刺激することが外傷性口内炎の主因です。また、熱すぎる飲食物による熱傷も口内炎に似た症状をつくることがあります。
3.「食事を嫌がる」以外のサイン 見逃しやすい症状
お子さまは「口が痛い」とうまく言葉にできないことがあります。以下のサインが続くときは、口の中を確認してみてください。
行動面のサイン
- いつもより食事に時間がかかる、途中で食べるのをやめる
- 飲み物を飲んだときに顔をしかめる
- 口に触れられることを嫌がる(歯磨きを嫌がるなど)
- よだれの量が急に増えた
- 「口の中がヒリヒリする」「口が変な感じ」と訴える
全身症状との組み合わせで確認を
口内炎に加えて次の症状がある場合は、ウイルス感染症など別の原因が考えられます。早めに小児科または歯科にご相談ください。
- 38℃以上の発熱が続いている
- 手・足・おしりにも発疹・水疱がある
- 歯ぐきが全体的に赤く腫れて出血している
- リンパ節(首・あご下)が腫れている
- 水分も摂れないほど痛みが強い
2週間以上治らない口内炎は要注意
アフタ性口内炎は通常1〜2週間で改善します。2週間以上改善しない場合、または同じ場所に繰り返しできる場合は、別の疾患が隠れている可能性もあるため、歯科での確認をお勧めします。
4. ご家庭でできるケアと痛みの和らげ方
アフタ性・外傷性口内炎であれば、ご家庭でのケアで症状を和らげながら自然回復を待てることがほとんどです。
食事の工夫
- 刺激を避ける:酸味(柑橘類・トマト・梅干し)・香辛料・炭酸飲料は一時的に控えめに
- やわらかく調理:おかゆ・スープ・豆腐・ヨーグルト・ゼリーなど飲み込みやすいものを中心に
- 適温で提供:熱すぎず冷たすぎない温度帯(人肌程度)が痛みを感じにくい
- 水分補給を優先:食事量が減っても水・麦茶・経口補水液で脱水を防ぐ
口腔内を清潔に保つ
口内炎があるときは歯磨きが痛くて嫌がることが多いですが、口の中を清潔に保つことが回復を助けます。低刺激タイプ(発泡剤・香味料が少ない)の歯磨き剤を使い、患部を直接こすらないよう柔らかいブラシで丁寧に磨いてあげてください。うがいができるお子さまは、食後のうがいも効果的です。
市販薬の使い方の目安
薬局で購入できる口内炎用のパッチ(貼り薬)・軟膏・スプレーは、患部を保護して痛みを和らげる効果が期待できます。ただし対象年齢・用法・用量を必ず確認し、乳幼児への使用は薬剤師または医師にご相談ください。市販薬を使用しても改善が見られない場合は、受診の目安と考えてください。
5. 受診の目安チェックリスト
以下の項目を確認してみてください。1つでも当てはまる場合は、歯科または小児科への相談をお勧めします。
歯科・小児科に相談を
- □ 口内炎が2週間以上改善しない
- □ 同じ場所に何度も繰り返しできる
- □ 数が多い(5個以上)または非常に大きい(10mm以上)
- □ 38℃以上の発熱を伴っている
- □ 水分が摂れないほど痛みが強い
- □ 歯ぐきが赤く腫れて出血している(歯ぐきの出血についてはこちらも参照)
- □ 手・足・おしりにも発疹・水疱がある
- □ 矯正装置が当たって同じ場所に傷ができ続けている
- □ 白い膜が口全体に広がっていてこすり取れる
受診先の選び方
発熱・全身症状を伴う場合はまず小児科へ、口の中の傷・装置の当たり・長引く口内炎・歯ぐきの腫れを伴う場合は歯科(小児歯科)が適切です。迷ったときは、かかりつけの小児科か歯科にお電話でご相談いただくのがスムーズです。
矯正中のお子さまへの追加ポイント
矯正装置を使用中のお子さまは、装置の当たりによる外傷性口内炎が起こりやすいです。ワックス(装置保護材)で応急処置ができますが、同じ場所に繰り返し傷ができる場合は装置の調整が必要です。次回の来院を待たずにご連絡ください。
6. 歯科で行う診察・治療の流れ
「歯科に行くと何をされるの?」と不安に思われる保護者の方も多いので、当院での一般的な流れをご説明します。
問診・口腔内の確認
まず「いつから」「どこに」「発熱などの全身症状はあるか」「繰り返しているか」などをお伺いします。ライトを使って口の中をやさしく確認し、口内炎の種類・大きさ・数・位置を把握します。お子さまが怖がらないよう、声かけしながら進めますのでご安心ください。
原因に応じたケア・処置
- アフタ性:ステロイド系の口腔用軟膏を患部に塗布、または低出力レーザーによる疼痛緩和処置を行う場合があります
- 外傷性(装置・歯の刺激):原因の除去(装置調整・歯の研磨)と口腔内清潔指導
- カンジダ性:抗真菌薬(塗り薬)の処方(医科・口腔外科との連携が必要な場合あり)
- ウイルス性が疑われる場合:小児科への紹介状作成のほか、脱水リスクの確認や口腔内の保護処置を行います
繰り返す・長引く場合の精査
口内炎が頻繁に繰り返す・なかなか治らないケースでは、栄養状態・全身疾患・免疫の状態などを確認するため、必要に応じて血液検査や医科(小児科・内科)への紹介を行う場合があります。また、歯ぐきの腫れが続く場合は歯周組織の問題が関与していることもあるため、あわせて歯ぐきの腫れについてもご確認ください。
7. 繰り返す口内炎を予防するために
「治ってもすぐまたできてしまう」というお悩みには、日常生活の見直しが助けになることがあります。
栄養バランスを整える
口の粘膜の健康には、ビタミンB₂(豆腐・納豆・牛乳・卵)、ビタミンB₆(鶏肉・バナナ・サツマイモ)、ビタミンC(野菜・果物)、亜鉛・鉄(肉・魚・貝類)が関わります。偏食が多い時期のお子さまは不足しやすいため、食事に取り入れやすい食材を少しずつ試してみてください。
十分な睡眠と規則正しい生活
免疫機能は睡眠中に整備されます。特に学齢期のお子さまは、習い事・学校行事が重なると疲労が蓄積しやすくなります。口内炎が続く時期は、就寝時間を早める・活動量を調整するなど、体の回復を助ける工夫をしてみてください。
口腔内の清潔と定期的な歯科チェック
口の中に食べかすや細菌が多いと、粘膜の抵抗力が下がり口内炎ができやすくなります。毎食後の歯磨き習慣と、3〜4ヶ月ごとの定期健診でお口の状態を確認することが予防につながります。歯の尖った部分・古い詰め物が当たっていないかも、定期健診でチェックできます。
感染予防(ウイルス性への対策)
- 食器・タオルの共用を避ける(特に乳幼児期)
- 帰宅後の手洗い・うがいを習慣化する
- 集団感染の流行期(夏〜初秋)は体調変化に早めに気づく
8. まとめ 東灘区・御影エリアの保護者の方へ
子どもの口内炎について、ここまでのポイントをまとめます。
- 口内炎にはアフタ性・ウイルス性・外傷性・カンジダ性など種類があり、対応が異なる
- アフタ性・外傷性は多くの場合1〜2週間で自然回復するが、ご家庭での食事・口腔ケアの工夫で痛みを和らげられる
- 発熱・全身症状・水分が摂れないほどの強い痛みがある場合は早めに受診を
- 2週間以上治らない・繰り返す・歯ぐきの腫れを伴うときは歯科でのチェックを
- 予防には栄養・睡眠・口腔内の清潔・定期健診が有効
「口内炎かどうかわからない」「治り方が心配」という場合も、まずはお気軽にご来院ください。大がかりな処置が必要なケースはまれです。健診のついでに口の中を見てもらう、という感覚でお越しいただくのが一番スムーズです。
「どんな口内炎か」「いつから続くか」「ほかに症状はあるか」
この3点を確認すれば、受診のタイミングを判断できます。
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック
〒658-0048 兵庫県神戸市東灘区御影郡家1-34-9
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お電話:050-1784-4369(緊急時のみ)
ご予約・お問い合わせはLINEまたはWebから受け付けています。
参考文献
- 日本小児歯科学会「小児の口腔疾患に関する情報」(https://www.jspd.or.jp/)
- 厚生労働省「口腔の健康」e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)
- 国立感染症研究所「手足口病とは」(https://www.niid.go.jp/)
- 日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」(https://www.jsoms.or.jp/)
この記事の監修者
河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長。日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会 所属。神戸市東灘区御影にて小児歯科・小児矯正・口腔機能育成を専門に診療。「お子さまが歯医者を怖いと思わない場所に」をモットーに、保護者の方と一緒にお子さまのお口の成長を見守ることを大切にしています。




