【小児歯科医監修】子どものあごの発育と歯並びの関係|お口の機能を育てる「お口育て」の視点|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年09月21日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年7月1日 / 初回公開:2017年
本記事は、お子さまのあごの発育と歯並びの関係について、影響し合うしくみ・生活習慣とのつながり・ご家庭でできること・受診の目安を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「あごが小さいと歯並びが悪くなると聞いた」「うちの子は歯が並ぶスペースが足りているのか心配」「あごの発育のために家でできることはある?」――東灘区/御影の当院でも、保護者の方からこうしたご相談をよくいただきます。子どものあごは成長の途中にあり、その発育のしかたと歯並びは、たがいに関わり合っていると考えられています。
この記事では、あごの発育と歯並びがどのように関係しているのか、あごの発育に関わる生活習慣やお口のくせ、ご家庭でできること、そして気になるときの受診の目安まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。あごの発育は、よく噛む・正しく飲み込む・鼻で呼吸するといったお口の機能の使い方とも深く関わります。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックが、お子さまのお口の健康を「お口育て」の視点でご案内します。
目次
あごの発育と歯並びの関係とは
歯は、あご(顎)の骨の中でつくられ、あごの上に並んでいきます。そのため、あごがどのように発育していくかは、歯が並ぶスペースと関わりがあると考えられています。あごの発育と歯の大きさ・生えてくるタイミングのバランスが取れていると、歯は無理なく並びやすくなります。反対に、あごの発育と歯の並ぶスペースのバランスが崩れると、歯が重なったり、すき間があいたりすることがあります。
ただし、歯並びはあごの大きさだけで決まるわけではありません。歯そのものの大きさ、生え変わりの順番や時期、遺伝的な要素、そして日々のお口の使い方やくせなど、さまざまな要因が重なって形づくられていきます。「あごが小さいから必ず歯並びが悪くなる」「あごを広げれば必ず整う」といった単純な話ではなく、複数の要因を総合的にみていくことが大切です。生え変わりの順番や時期については、別記事「歯の生え変わり時期の痛み|5つの原因とご家庭でできる対処法」もあわせてご覧ください。
あごの発育が歯並びに関わりやすい場面
あごは、乳歯の時期から永久歯へと生え変わっていく成長期を通じて発育していきます。この時期に、あごの発育と歯並びが関わりやすい場面には、次のようなものがあります。
乳歯のすき間(発育空隙)
乳歯のあいだに見られるすき間は、これから生えてくる永久歯のためのスペースとして役立つことがあると考えられています。乳歯がすき間なくきっちり並んでいる場合、永久歯が並ぶスペースの点で注意してみておきたいこともあります。乳歯のすき間については、別記事「ストロー飲みは急がなくて大丈夫|コップ飲みで「お口育て」」でも触れているお口の発達の視点とあわせて考えると理解しやすくなります。
生え変わりの時期のかみ合わせの変化
乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、歯が抜けたり生えたりを繰り返すため、一時的にかみ合わせや歯並びが不安定に見えることがあります。多くは成長とともに落ち着いていきますが、気になる状態が続く場合は確認しておくと安心です。
お口の機能の使い方
よく噛む、正しく飲み込む、鼻で呼吸する、舌を上手に使うといったお口の機能の使い方は、あごやお口まわりの筋肉の発育に関わっていると考えられています。日々の使い方の積み重ねが、あごの発育を支える一因になります。
あごの発育に関わる生活習慣・お口のくせ
あごの発育やお口まわりの筋肉には、日常の何気ないくせや生活習慣が関わっていることがあります。次のような点は、お子さまの様子を見直すときの参考になります。
- 口がぽかんと開いている・口で呼吸する — いつも口が開いていると、お口まわりの筋肉や舌の位置に影響することがあります。
- やわらかいものばかり食べる — よく噛む機会が少ないと、お口まわりの発育の点で意識したいことがあります。
- 舌を前に押し出すくせ・指しゃぶりが長く続く — 歯やあごに力がかかり続けることがあります。
- 片側ばかりで噛む・ほおづえ — 左右のバランスやあごへの負担に関わることがあります。
- 姿勢のくせ — 長時間うつむいた姿勢などが、お口やあごの周囲に影響することがあります。
これらのくせが必ず歯並びの問題につながるわけではありませんが、お口の機能を健やかに育てる「お口育て」の視点からは、気になるものがあれば早めに見直しておきたいポイントです。指しゃぶりや口呼吸が長く続く場合は、一度ご相談いただくと安心です。
ご家庭でできること|お口育ての視点
あごの発育は成長の過程で少しずつ進んでいくため、ご家庭での日々の関わりも大切です。むずかしいことをする必要はなく、次のような日常の心がけがお口の機能を育てる土台になります。
- 年齢に合った歯ごたえの食事をよく噛んで食べる — 左右バランスよく噛むことが、お口まわりの発育につながります。ただし、急にかたすぎるものを無理にかじらせる必要はありません。
- お口を閉じて鼻で呼吸する習慣を意識する — 口がぽかんと開きやすいときは、やさしく声をかけて気づきをうながします。
- 正しく飲み込む・舌を上手に使う — コップ飲みなど発達に合わせた練習も、お口の機能を育てる助けになります。
- 姿勢を整える — 食事のときの姿勢や、ふだんの座り方にも目を向けてみましょう。
こうした日常の積み重ねは、歯並びを「必ず整える」ためのものではありませんが、お子さまのお口の機能を健やかに育てることにつながります。当院では、こうしたお口の機能を育てる「お口育て」の視点から、あごの発育やかみ合わせ、お口のくせを総合的に見ながらお子さまの成長を見守っています。
気になるときの受診の目安
次のような場合は、自己判断で様子を見続けず、歯科などの医療機関に相談することをおすすめします。当院では、レントゲン検査などであごや歯の状態を確認しながら、お子さまの成長段階に合わせて必要な対応をご家族に丁寧にご説明します。
- 永久歯が重なって生えてきている、並ぶスペースが足りなそう
- 上下のかみ合わせが気になる(前歯が閉じない・受け口のように見えるなど)
- 口がいつも開いている、口で呼吸していることが多い
- 指しゃぶりや舌を押し出すくせが長く続いている
- あごの左右差や、噛むときの様子が気になる
あごの発育や歯並びは、お子さまの成長とともに変化していきます。早めに相談しておくことで、いま様子をみてよいのか、なにか対応を考えたほうがよいのかを一緒に整理できます。矯正を始める時期の考え方については、別記事「子どもの矯正歯科、いつ始める?年齢別の判断基準」もご参照ください。気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q1. あごが小さいと、必ず歯並びが悪くなりますか?
A. あごの大きさは歯並びに関わる要因のひとつですが、それだけで決まるわけではありません。歯の大きさや生え変わりの状況、お口の使い方など複数の要因が関わります。「あごが小さい=必ず歯並びが悪くなる」とは言えませんので、気になる場合はお口全体の状態を確認したうえで一緒に考えていきます。
Q2. あごの発育のために、家でできることはありますか?
A. 年齢に合った歯ごたえの食事をよく噛んで食べる、お口を閉じて鼻で呼吸する習慣を意識する、正しく飲み込む・舌を上手に使う、姿勢を整えるといった日常の心がけが、お口の機能を育てる土台になります。特別な器具や練習が必要というより、毎日の使い方の積み重ねが大切です。
Q3. いつごろ相談に行くのがよいですか?
A. 気になることがあれば、いつでもご相談いただけます。生え変わりの時期や、口呼吸・指しゃぶりなどのくせが気になるとき、かみ合わせが気になるときなどが相談のきっかけになりやすいです。定期健診の機会に、あごや歯並びについてあわせてご相談いただくのもおすすめです。
📌 あごの発育と歯並びは「成長期だからこそ」できることがあります
気になることがあれば、自己判断せず一度ご相談ください。
あごの発育は、お口の機能を育てる「お口育て」の視点でも大切なテーマです。
ご相談・ご予約
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック
📍 〒658-0048 神戸市東灘区御影郡家1-34-9
📞 050-1784-4369(診療時間内のみ)
🚉 阪急/阪神「御影駅」より徒歩約7分/JR神戸線「住吉駅」より徒歩約13分(お子さま連れの場合は15〜20分程度)
スマホからボタンをタップ → LINE 予約画面が開きます
関連記事
参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 一般社団法人 日本小児口腔外科学会
- 厚生労働省「歯の健康」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、あごの発育やかみ合わせを含めたお口の機能(お口育て)の視点から、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。
お子さまのお口のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。




