癒合歯による問題点|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月21日
稀にですが、2本くっついて生えている歯があります。歯は本来1本づつ生えてきますが、2本くっついて生えている歯を癒合歯といいます。乳歯の前歯に多く見られる癒合歯ですが、癒合歯によって引き起こされる問題や周りの歯に与える影響はないのでしょうか。
■癒合歯による問題点。
永久歯よりも乳歯に見られやすい癒合歯ですが、発生する原因ははっきりわかっていません。ですが、癒合歯が生えてくる事により、様々な問題が発生します。
癒合歯があるとおよそ4割程の確率で、癒合歯の下の永久歯がないというデータがあります。通常、前歯の乳歯の根は1本の歯に対して1本存在するのですが、癒合歯の根は1本だけです。歯が2本あれば、根も2本あるものなのです。
永久歯は乳歯を確認してから出来るのですが、癒合歯の下の永久歯は1本しか出来なくなってしまうようです。結果、歯の数に異常が現れ、将来的には歯並びや噛み合わせにも影響を与えます。
数本の歯がくっついていると、それぞれの歯が永久歯に生え変わる時期にズレが生じます。本来は乳歯の根が吸収されて自然に歯が抜けるのですが、癒合歯は自然に抜けず、永久歯が横から生えてしまったりする場合もあります。
また、癒合歯はむし歯になりやすいといった点もあります。くっついている歯の境目がむし歯になりやすいのですが、神経にまでむし歯が及んだ時に神経も複雑な為、治療が難しくなります。
むし歯だけでなく、歯茎にも汚れが溜まると歯肉炎も起きやすくなります。
■癒合歯によって起こる問題への対応策。
永久歯が生え変わる時期になったら、レントゲンで癒合歯の下の永久歯の有無を確認するようにしましょう。
レントゲンで永久歯が確認出来たとしても、吸収されない根があるとわかった場合は、歯がグラグラして自然に抜ける可能性が低くなります。この場合は抜歯が必要になるでしょう。
癒合歯はむし歯になりやすいので、歯医者さんでブラッシング指導を受けたり、フッ素を塗布してもらい、むし歯予防を行います。
溝が深い場合などにはシーラントで溝を埋めて、むし歯予防をすることも出来ます。
乳歯が癒合歯でも、永久歯では通常の歯が生えてくる場合もありますが、半数くらいの子供の永久歯にも癒合歯の影響が出ています。
生え変わりのタイミングで処置が必要になる場合もありますので、歯医者さんでレントゲン撮影をしてもらい、癒合歯の下の永久歯の状態を定期的にチェックするようにしてください。