【小児歯科医監修】子どもの顎関節症|あごの音・痛みの原因と受診の目安|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影

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【小児歯科医監修】子どもの顎関節症|あごの音・痛みの原因と受診の目安|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影

2017年09月21日

執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)

最終更新日:2026年6月23日 / 初回公開:2017年

本記事は、お子さまのあごの音・痛みといった顎関節症の症状について、原因・生活習慣との関係・受診の目安を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。

「子どもが口を開けると、あごからカクッと音がする」「あごが痛いと言うことがある」「大きく口を開けにくそう」――東灘区/御影の当院でも、保護者の方からこうしたご相談をいただくことがあります。顎関節症(がくかんせつしょう)は大人に多いイメージがありますが、お子さまにもあごの音や痛みなどの症状がみられることがあります。

この記事では、子どもの顎関節症とはどのようなものか、あごの音や痛みの原因、生活習慣との関係、ご家庭でできるセルフケア、そして医療機関を受診したほうがよい目安まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。あごの不調は、お口の機能の発達とも関わる大切なテーマです。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックが、お子さまのお口の健康を「お口育て」の視点でご案内します。

目次

  1. 子どもの顎関節症とは|主な症状
  2. あごの音・痛みの主な原因
  3. 生活習慣・くせとの関係
  4. ご家庭でできるセルフケア
  5. こんなときは受診を|受診の目安
  6. あごの発育とお口の機能の関係
  7. よくあるご質問

子どもの顎関節症とは|主な症状

顎関節症とは、耳の前あたりにある「あごの関節(顎関節)」や、あごを動かす筋肉に何らかの不調が起こり、痛みや音、動かしにくさなどの症状が出る状態の総称です。お子さまにみられる主な症状には、次のようなものがあります。

  • あごの音 — 口を開け閉めするとき、カクッ・コキッといった音がする(関節雑音)。
  • あごの痛み — あごの関節やまわりの筋肉が痛む。食事やあくびのときに痛むこともある。
  • 口が開けにくい — 大きく口を開けられない、開け閉めがスムーズでない。

音だけがして痛みがなく、生活に支障がない場合は、しばらく様子をみることもあります。一方で、痛みがある、口が開けにくいといった症状が続く場合は、医療機関で確認することをおすすめします。お子さまは成長の途中にあり、あごも発育の最中です。気になる症状があれば、自己判断で放置せず、相談しておくと安心です。

あごの音・痛みの主な原因

顎関節症は、ひとつの原因だけで起こるのではなく、いくつかの要因が重なって生じることが多いと考えられています。お子さまの場合に関わりやすい要因を整理します。

かみ合わせや歯並びの影響

歯並びやかみ合わせのバランスが、あごの関節や筋肉への負担に関わることがあります。ただし、歯並びだけが顎関節症の原因とは限らず、さまざまな要因と合わさって生じると考えられています。生え変わりの時期はかみ合わせが変化しやすく、一時的にあごの動きが不安定になることもあります。生え変わりの順番や時期については、別記事「子どもの歯の生え変わり|順番・時期・トラブルの見分け方」もご参照ください。

あごへの過度な負担

歯ぎしりや食いしばり、片側ばかりで噛むくせ、ほおづえなどは、あごの関節や筋肉に負担をかけることがあります。緊張やストレスがあると、無意識に食いしばりが増えることもあります。こうした日常の積み重ねが、あごの不調につながることがあります。

外からの力・けが

転んであごをぶつけた、強い衝撃を受けたなど、外からの力がきっかけになることもあります。けがのあとにあごの痛みや動かしにくさが続く場合は、早めに医療機関を受診してください。

生活習慣・くせとの関係

あごの不調には、日常の何気ないくせや生活習慣が関わっていることがあります。気づかないうちにあごへ負担をかけている場合もあるため、お子さまの様子を見直してみましょう。

  • かたいものを一気にかじる・大きな口で噛む — 急にあごへ負担がかかることがあります。
  • 片側ばかりで噛む — 左右のバランスが崩れ、あごの一方に負担が集中します。
  • ほおづえ・うつぶせ寝 — あごに外から力が加わり続けることがあります。
  • 歯ぎしり・食いしばり — 寝ているあいだや集中しているときに、無意識に行っていることがあります。
  • 姿勢のくせ — 長時間うつむいた姿勢などが、あごやその周囲に影響することがあります。

よく噛んで左右バランスよく食べる、ほおづえをやめる、姿勢を整えるといった見直しは、あごへの負担を減らすことにつながります。お子さまのお口の機能を健やかに育てる「お口育て」の視点でも、こうした日常のくせを整えることはとても大切です。

ご家庭でできるセルフケア

あごの音や軽い違和感がある程度で、痛みや生活への支障がない場合は、ご家庭でのちょっとした見直しで負担を減らせることがあります。ただし、痛みが強いときや症状が続くときは、無理にセルフケアを続けず、医療機関に相談してください。

  • あごを休ませる — 痛みがあるときは、かたいものやガムなどを控え、やわらかい食事にします。
  • 大きく口を開けすぎない — あくびや大きな口を開ける動作に注意し、あごに無理な力をかけないようにします。
  • くせを見直す — 片側噛み、ほおづえ、食いしばりなどに気づいたら、やさしく声をかけて直していきます。
  • リラックスを心がける — 緊張で食いしばりが増えることがあるため、十分な睡眠や休息を大切にします。

セルフケアはあくまで負担を減らすための工夫です。お子さまのあごは発育の途中にあるため、痛みや動かしにくさが続く場合は、自己判断せず専門的な確認を受けることをおすすめします。

こんなときは受診を|受診の目安

次のような場合は、自己判断で様子を見続けず、歯科などの医療機関に相談してください。当院では、レントゲン検査などであごの関節やお口の状態を確認しながら、必要な対応をご家族に丁寧にご説明します。

  • あごの痛みが続く、強くなってきた
  • 口が開けにくい、開けると引っかかる感じがある
  • 痛みで食事がとりづらい
  • けがのあとにあごの不調が出た
  • 音だけでも気になる、長く続いて心配

あごの症状は、かみ合わせや歯並び、生活習慣などさまざまな要因が関わるため、原因の見極めが大切です。当院では、お子さまの成長段階を踏まえ、必要に応じて経過を見ながら、専門的な対応が望ましい場合は適切な医療機関と連携してご案内します。気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。

あごの発育とお口の機能の関係

お子さまのあごは、成長とともに発育していきます。よく噛んで食べる、しっかり飲み込む、正しく呼吸する、舌を上手に使うといった日々のお口の機能の使い方は、あごやその周囲の発育に関わっていると考えられています。あごの不調を考えるときも、こうした「お口の機能をどう使っているか」という視点が役立ちます。

「よく噛む」習慣が発育を支える

やわらかいものばかりではなく、年齢に合った歯ごたえのある食事を、左右バランスよくよく噛んで食べることは、あごやお口まわりの筋肉の発育につながります。ただし、急にかたすぎるものを無理にかじると、あごに負担がかかることもあります。お子さまの成長に合わせて、無理のない範囲で「よく噛む」習慣を育てていくことが大切です。

口呼吸・姿勢・舌のくせにも目を向ける

いつも口がぽかんと開いている、口で呼吸している、舌を前に押し出すくせがある、姿勢が崩れがちといったことは、お口の機能やあごの発育に関わることがあります。これらは顎関節症と直接結びつくとは限りませんが、お口全体の健やかな発達という観点から、気になるものがあれば早めに見直しておきたいポイントです。当院では、こうしたお口の機能を育てる「お口育て」の視点から、あごやかみ合わせ、お口のくせを総合的に見ながらお子さまの成長を見守っています。

舌のくせが気になる場合

舌の動きや位置のくせは、お口の機能やかみ合わせに影響することがあります。舌の使い方や舌小帯(ぜつしょうたい)が気になる場合は、別記事「舌小帯が短い?子どもの舌のトラブルと受診の目安」もあわせてご覧ください。気になることがあれば、あごやお口全体の状態とあわせて当院でご相談いただけます。

よくあるご質問

Q1. あごから音がするだけでも受診したほうがいいですか?

A. 痛みがなく、生活に支障がなければ、しばらく様子をみることもあります。ただし、音が長く続く、気になる、ほかの症状もあるという場合は、一度確認しておくと安心です。判断に迷うときは、自己判断せず当院までご相談ください。

Q2. 子どもの顎関節症は歯並びを整えれば治りますか?

A. 歯並びやかみ合わせは要因のひとつですが、それだけが原因とは限りません。生活習慣やくせ、ストレスなど複数の要因が関わるため、一律に「歯並びを整えれば解決する」とは言えません。お子さまの状況を確認したうえで、何が関わっているかを一緒に考えていきます。

Q3. 家でできることはありますか?

A. あごを休ませる、かたいものを控える、片側噛みやほおづえ・食いしばりなどのくせを見直す、十分に休息をとるといったことが負担軽減につながります。ただし、痛みが強い・続く場合は、セルフケアだけで対応せず、医療機関にご相談ください。

📌 あごの音・痛みは「成長期だからこそ」早めの確認を

痛みや開けにくさが続くときは、自己判断せず一度ご相談ください。
あごの不調は、お口の機能を育てる視点でも大切なサインです。

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参考文献・参考資料

  • 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
  • 一般社団法人 日本小児歯科学会
  • 一般社団法人 日本顎関節学会
  • 厚生労働省「歯の健康」

執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)

みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会

神戸市東灘区御影で、あごの発育やかみ合わせを含めたお口の機能(お口育て)の視点から、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。

お子さんの歯ぎしり・食いしばりが気になる方はこちら →子どもの歯ぎしり|年齢別の対応と受診目安

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