上唇小帯と舌小帯について|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月21日
もしも健診を受けた時に小帯を切るように言われたら、すぐに切るのが正解なのでしょうか。
小帯には上唇小帯と舌小帯があります。それぞれの小帯の異常による影響や切除について、お話したいと思います。
■上唇小帯と舌小帯について。
上唇小帯は上唇と歯茎を繋ぐ、上前歯の中央にある筋です。上唇小帯が短いと上顎の成長を抑制し、歯並びに悪影響を及ぼす場合があります。上の前歯に隙間ができることもありますが、隙間に汚れが溜まりやすいと虫歯にもなりやすくなります。歯磨きの時に小帯を傷付けてしまうこともあります。
舌小帯は舌の裏にある下顎と舌を繋ぐ筋です。この筋が短いことを舌小帯短縮症と呼びます。重度の場合、咀嚼や嚥下、発音障害の原因にもなり、哺乳が上手く出来なかったり、話しづらさを感じたり、硬いものが上手く食べられないといったこともあります。このような場合は治療をする事によって改善が見込まれます。
舌小帯が短いと、下の前歯を押して受け口になったり、舌が上顎につかないことで上顎が広がらず、歯並びが悪くなったりもします。
■上唇小帯を切除する時期。
上唇小帯の異常によって起こる影響は、歯に汚れが溜まって虫歯になりやすかったり、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼしたり、母乳を上手く飲めないことが挙げられます。
上唇小帯は年齢と共に顎が発達して、自然に切れてしまう場合もあります。将来的な歯並びを考えるのであれば、前歯の永久歯が生えてくる7歳前後を目安に切除を考えると良いでしょう。
しかし、全ての人の歯並びが悪くなるとは限りませんので、切除をしないという判断もあります。
処置時間は10分程度で、保険適用内の治療になります。麻酔をしてから行うので、処置中の痛みはほとんどありません。
■舌小帯を切除する時期。
舌小帯切除の手術は正しい発音が出来るよう、5~6歳頃を目安に切除するのが理想的と考えられています。
哺乳障害がある場合は、新生児でも小帯を切除することもあります。ただし、母乳を飲み続けていると、舌小帯が伸びて支障がなくなることもあります。
切除自体は基本的にいつでも出来ますので、焦って切除しなくても、少し様子を見てから判断しても良いでしょう。
処置時間はこちらも10分程度で、保険適用内の治療になります。部分麻酔をしてから切除しますので、痛みや腫れもほとんどありません。
機能訓練によっても小帯に改善が見られるケースもありますので、小帯を切るように言われても、すぐに切らずに様子を見ても良いでしょう。
ただ、歯並びや発音に影響を及ぼす場合がありますので、気になるようでしたら歯医者さんに相談してみましょう。