カリソルブとは?|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月21日
虫歯になってから歯医者さんに行くと、歯を削って治療をします。痛みやキーンという音、ガリガリ削る振動が苦手で、歯医者さんが嫌いになる子もいます。
ですが、削らない治療法があるという事をご存知でしょうか。歯医者さんが苦手な子供でも削らないカリソルブ治療ならば、おとなしく治療を受けることが出来るかもしれません。
■カリソルブとは?
カリソルブは虫歯になった部分に薬剤を塗り、柔らかくして溶かしてから虫歯を取り除く治療法です。
この治療法はスウェーデンで開発され、2007年に日本でも厚生労働省で認可されました。
虫歯になった部分だけを溶かして取り除く為、健康な歯質を削らずに済み、歯を最大限残す事が出来ます。
カリソルブ治療では、次亜塩素酸ナトリウムやアミノ酸などが主な成分になる薬剤を使います。次亜鉛素酸ナトリウムは歯科において殺菌によく使われるのですが、カリソルブ治療では虫歯の部分を溶かします。アミノ酸は健康な歯質を守る働きがあります。
健康な歯にほとんど影響を与える事なく、歯の寿命を延ばす「M.I(ミニマルインターベーション)」の概念に基づいた新しい治療法です。
■カリソルブ治療が出来る歯と出来ない歯。
カリソルブ治療が出来るかどうかは、虫歯の段階によって変わってきます。
この治療法が適応される段階はC1からC2までになります。エナメル質に穴の開いた状態のC1、象牙質まで虫歯が進行しているC2まででしたら、カリソルブ治療が受けられます。
虫歯が神経に達した状態のC3にまで進行すると、神経の処置をしなくてはならない為、カリソルブ治療は受けられません。
■カリソルブ治療の進め方。
カリソルブ治療は薬剤を虫歯の部分に塗ってから約30秒待ちます。虫歯の部分が溶けて柔らかくなったら、専用の器具を用いて虫歯を取り除いていきます。この処置を何度か繰り返し行い、完全に虫歯を取り除きます。
虫歯が綺麗に取り除けたら、詰め物や被せ物をして終わります。
カリソルブ治療には多くのメリットがある一方で、治療出来る歯が限られていたり、虫歯を完全に取り除くまでに何度も同じ処置を繰り返し行わなくてはなりません。削って治療するよりも治療時間は長くかかりますし、保険適用外の治療になります。
ですが、カリソルブ治療では痛みを感じる事もなく、健康な歯を削ったり、犠牲にする部分が少ないというメリットがあります。歯は一生使うものですから、出来る限り健康な歯を削らずに残したいものです。
日本では比較的新しい治療法の為、ごく一般的に受けられる治療ではありません。もしもカリソルブ治療を受けたい場合は、まず歯医者さんに確認しておきましょう。