虫歯は他人に感染する|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月21日
赤ちゃんにキスをすると虫歯菌がうつる、という話を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんが可愛いあまり、スキンシップの1つとしてキスをしてしまう事もあるでしょう。しかし、キスで赤ちゃんに虫歯がうつってしまったら可哀想ですよね。
虫歯は本当に人から人へ感染するのでしょうか。
■虫歯は他人に感染する?
大人の口の中には様々な細菌が存在しますが、その中にミュータンス菌という細菌があります。ミュータンス菌は虫歯の原因になる細菌で、ミュータンス菌が増える事によって虫歯が出来ます。ミュータンス菌は赤ちゃんには元々ありません。大人の唾液を介して赤ちゃんにうります。
ミュータンス菌は歯の表面にくっついて歯垢を作ります。歯垢は細菌の塊で、プラークとも呼ばれています。口の中に糖分を入れると、歯垢の中のミュータンス菌が酸を作り、歯を溶かしてしまいます。歯に穴が開いてしまった状態が虫歯です。
キスだけでなく、離乳食の時期に親が噛み砕いたものを食べさせたり、口移しで食べさせても菌がうつります。親が使った箸や皿やコップを使わせてもうつります。
熱いものを冷ます為にフーフーしたり、赤ちゃんに顔を近付けて話すだけでも、虫歯菌がうつってしまうことがあるのです。
■赤ちゃんを虫歯から守る方法。
赤ちゃんに虫歯菌をうつさない為には、大人の唾液を赤ちゃんの口に入れないことです。
赤ちゃんにキスをしたり、口移しをしてはいけません。親が噛み砕いたものを食べさせたり、親が使った食器を赤ちゃんに使ってもいけません。
また、大人も口腔ケアをして、虫歯菌や歯周病菌を減らしておく必要があります。親が徹底していたとしても、おじいちゃんやおばあちゃんの世代では、虫歯菌の話を知らない場合もあります。
虫歯菌の感染を完全に防ぎきる事は難しいかもしれませんが、出来る限り親から虫歯菌をうつさないように心がけ、菌が赤ちゃんに感染する機会を減らしましょう。
同時に、乳歯が生えてきたら歯磨きの習慣をつけましょう。虫歯菌は硬い組織にしか棲めないので、赤ちゃんの口の中には生息出来ないのですが、乳歯が生えてきた時に棲みつこうとします。
食事をすれば口の中は酸性に傾き、虫歯になりやすい状態となります。おやつは時間を決め、ダラダラ食べ続けなければ、口の中は唾液によって中性に近付いてきます。常におやつを食べ続けていれば、口の中はいつも酸性になり、虫歯になりやすくなります。おやつは回数を決め、ダラダラ食べないようにしましょう。
赤ちゃんを虫歯から守る為には、虫歯菌をうつさないことです。赤ちゃんの口の中を健康な状態で保つには、周りの大人も一緒に気を付けなくてはなりません。赤ちゃんの虫歯予防だけでなく、周りの大人からもミュータンス菌を減らし、大人も一緒に口腔ケアを行いましょう。