保隙装置|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月21日
保隙装置(ほげきそうち)とは、虫歯やケガなどで乳歯を失ってしまった時に永久歯に生え変わるまでの間、永久歯が生えてくるスペースを確保しておく為の装置です。いずれ乳歯は抜けてしまいますが、抜けたままで放置しておくと様々な問題が起きてきます。
そこで今回は保隙装置の役割や装置の種類についてまとめてみました。
■保隙装置を使う必要性。
虫歯やケガによって、やむを得ず乳歯を失った場合、保隙装置を使います。乳歯を失ってしまうと、隣の歯が支えを失って、ずれてきたり倒れてくることがあります。すると、永久歯の生えてくるスペースが確保出来なくなってしまいます。十分なスペースがないまま永久歯が生えてくると、まっすぐに生えることが出来ずに歯並びが悪くなります。保隙装置にはそのスペースを確保し、永久歯がまっすぐ生えてこれるよう誘導する役割があるのです。
保隙装置を用いた治療は一般的に小児歯科や矯正歯科で受けられます。
■保隙装置の種類。
バンドループは、歯にバンドを巻き、そこにループを取り付けます。ループ部分でスペースを確保し、歯が倒れこんでくるのを防ぎます。永久歯が生えてきたら取り外します。
クラウンループは、乳歯冠を被せて支えにします。あとはバンドループと同じ仕組みになっています。バンドが巻けない場合は、クラウンループを使用します。
インレーという金属の詰め物にバーを取り付けたインレーバー、第二大臼歯を失った際に第一大臼歯を誘導する為のディスタルシュー、奥歯にバンドを取り付け、歯の裏に針金を付けてバネで動かすリンガルアーチ(舌側弧線装置)、噛む機能を補える子供用入れ歯など、装置には様々な種類があります。
■保隙装置使用時に気を付けておくべきポイント。
装置を付けていると、そこに汚れが溜まりやすくなります。歯磨きをしずらくなりますので、定期的に歯医者さんに通ってメンテナンスをしてもらいましょう。
稀にですが、装置が外れてしまうこともあります。その際は必ず歯医者さんで直してもらってください。間違って子供が飲み込んでしまう危険もありますので、必ず歯医者さんで装着してもらいましょう。
保隙装置は矯正装置ではありません。歯並びを良くする効果はありません。あくまで永久歯が生えてくるスペースを確保するものです。永久歯が生えてきたら取り外さなくてはなりません。
乳歯が抜けてしまった時に放置してしまうと、永久歯が生えてくるスペースが狭くなり、歯並びなどに影響をもたらします。一般の歯科では歯が抜けたらそのまま様子を見ることになるかもしれませんが、小児歯科や矯正歯科では保隙装置の治療が受けられます。将来の歯並びの為にも必ず受診しましょう。