【小児歯科医監修】赤ちゃんの歯はいつから生える?生え始める順番・歯ぐずり・初めての歯磨きケア|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年09月21日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年4月27日 / 初回公開:2017年9月21日
本記事は、赤ちゃんの歯の生え始めについて、小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「うちの子、もうすぐ生後7ヶ月なのに、まだ歯が生えてこない……大丈夫?」――小児歯科の診療室で、毎日のようにいただくご相談です。同じ月齢のお友達はもう前歯が2本生えているのに、自分の子はまったく兆候がない。お母さんにとっては気になりますよね。
結論からお伝えします。赤ちゃんの歯の生え始めには大きな個人差があり、生後3ヶ月から1歳前後までと幅があります。少しの遅れは心配いりません。この記事では、生え始める時期と順番、ご家庭で見られるサイン(歯ぐずり)、不快感をやわらげる方法、初めての歯磨きケアまで、保護者の方が知っておきたいポイントを小児歯科医の立場からお伝えします。
神戸市東灘区御影の当院では、0歳児からの歯科健診・歯ぐずり期のご相談に対応しています。「初めての歯医者」をお考えの保護者の方にも安心して通っていただけるよう、キッズスペースとバリアフリー導線を整えています。
目次
1. 赤ちゃんの歯が生え始める時期と順番
赤ちゃんの歯(乳歯)は 生後3〜9ヶ月ごろから生え始め、3歳ごろまでに上下20本がすべて生えそろうのが一般的なペースです。最も多いのは生後6ヶ月前後で、最初に生えてくるのは下の前歯(下顎乳中切歯)です。
月齢別・乳歯の生える順番(目安)
- 生後6〜9ヶ月:下の前歯(下顎乳中切歯)が2本
- 生後9〜10ヶ月:上の前歯(上顎乳中切歯)が2本
- 1歳ごろ:上下4本ずつ計8本の前歯がそろう(中切歯・側切歯)
- 1歳2ヶ月〜1歳半:第一乳臼歯(最初の奥歯)が4本
- 1歳9ヶ月〜2歳:犬歯(糸切り歯)が4本
- 2歳半〜3歳:第二乳臼歯(一番奥の奥歯)が4本 → 計20本がそろう
この時期や順番には半年〜1年程度のずれがあるのが普通です。「○ヶ月までに生えなければ異常」というわけではありません。
2. 生え始めのサイン「歯ぐずり」とは
乳歯が顔を出す前、歯ぐきの内側で歯の芽が押し上げてくることで、赤ちゃんはむずがゆさや軽い違和感を感じます。これによって機嫌が悪くなる現象を「歯ぐずり(teething)」と呼びます。
歯ぐずりの典型的なサイン
- よだれが急に増える — 唾液の分泌が活発になるため
- 何でも口に入れたがる — おもちゃ・指・タオルなど、噛むことで違和感を紛らわせる
- 夜泣きや急な不機嫌 — むずがゆさで眠りが浅くなる
- 歯ぐきが少し赤く・腫れて見える — 生えてくる場所の歯ぐきが盛り上がる
- 食欲が一時的に落ちる — 噛むのが不快なため、食事を嫌がることがある
これらは「歯が生えてきている自然なサイン」で、心配いりません。歯が顔を出してしまえば落ち着いてきます。
3. 歯ぐずりで不機嫌なときの和らげ方
むずがゆさを和らげる方法は、ご家庭でいくつか試せます。
○ 歯固め(おしゃぶり型のおもちゃ)を使う
月齢に合った歯固めを噛むことで、むずがゆさが軽くなります。冷蔵庫で軽く冷やしておくと、歯ぐきの炎症も鎮まりやすくなります(凍らせるのはNG・歯ぐきを傷めます)。
○ 冷やしたガーゼで歯ぐきを優しく
清潔なガーゼをぬるま湯で湿らせ、軽く絞ってから赤ちゃんの歯ぐきを優しく拭いてあげます。冷やしたガーゼなら、ほてりも一緒に和らぎます。
○ 歯ぐきマッサージ
手をきれいに洗ってから、清潔な指で歯ぐきを軽く・短時間マッサージします。むずがゆさが和らぐだけでなく、お口の中をさわられることへの慣れにもつながります。
○ よだれかぶれを防ぐスキンケア
よだれが増えると口の周りが荒れやすくなります。こまめに優しく拭いて乾燥させ、必要に応じて赤ちゃん用の保湿剤を塗ってあげましょう。
4. 最初の歯が生えたらすぐ始める歯磨きケア
最初の歯が顔を出したら、その日からケアの開始時期です。「乳歯はいずれ抜けるから大丈夫」と考える方もいますが、乳歯の虫歯は永久歯の発育や歯並びにも影響します。早めの習慣化が大切です。
○ 生え始めから1歳ごろまで
1日1〜2回、ガーゼか赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシで歯の表面を優しく拭いたり、軽くブラッシングします。歯磨き粉はまだ不要。「歯ブラシをお口に入れることに慣れる」のが目標です。
○ 1歳〜3歳
毎食後(特に夜寝る前)の仕上げ磨きを習慣に。フッ素配合のジェル状歯磨き粉(年齢用量)を米粒大ほど使うと、虫歯予防に効果的です。奥歯(乳臼歯)が生えてきたら、咬み合わせの溝に汚れがたまりやすいので特に丁寧に。
○ 仕上げ磨きのコツ
- 膝枕の体勢で、お子さまの頭を保護者の方の太ももに乗せる
- 唇を軽くめくって、見えやすくする
- 短時間で。嫌がる前に終わらせる
- 終わったら必ず褒める。「歯磨き=いいこと」の経験に
5. 個人差はどこまでが正常範囲?
赤ちゃんの歯の生え方は、本当に個人差が大きいものです。次の範囲なら基本的に正常範囲と考えて大丈夫です。
- 最初の歯が生えるのが生後3〜13ヶ月 — 1歳の誕生日までに1本も生えていなくても、多くは正常範囲
- 順番が前後する — 上の前歯が下より先に生えても、必ずしも異常ではない
- 左右で生える時期がずれる — 片方だけ先に生えるのはよくあること
- 3歳までに20本そろえばOK — 多少のペースの違いはあまり気にしなくて大丈夫
6. 受診の目安:こんなときは歯科医院へ
「個人差の範囲」とは別に、念のため確認しておきたいケースもあります。次のサインがあれば、一度小児歯科でレントゲン検査を含めた確認をおすすめします。
- 1歳3ヶ月を過ぎても1本も生えない — 「先天性欠如歯(生まれつき歯がない)」の可能性も。確率は低いですが、早期確認で対応方針が立てられます
- 生えてきた歯の色が黒・茶色っぽい — エナメル質形成不全や着色の可能性
- 歯が2本くっついて生えている(癒合歯) — 永久歯への影響の可能性。経過観察が必要
- 歯ぐずりにしては機嫌が悪すぎる・発熱が続く — 歯ぐずりは通常発熱を伴いません。高熱なら別の原因も考えて小児科受診も併せて
- 生えた歯がぐらぐらしている — 外傷の可能性
歯科医院に「最初に行くタイミング」として、最初の歯が生えてから6ヶ月以内、または1歳の誕生日までを目安におすすめしています。早めに「歯医者さんは怖くない場所」になじんでおくと、その後の通院がずっとスムーズです。
7. 健やかな乳歯のためにできること
赤ちゃんの歯の健康を守るうえで、保護者の方が日常で意識できるポイントです。
- 大人の口から虫歯菌を移さない — 口移しでの食事・同じスプーンの使い回しは避ける(唾液感染で乳幼児期にミュータンス菌が定着すると虫歯リスクが上がる)
- 糖分の多い飲み物を寝る前に与えない — 寝かしつけのジュース・甘いミルクは虫歯の最大原因。寝る前は水か白湯に
- 1歳半・3歳健診をしっかり受ける — 自治体の乳幼児歯科健診で、虫歯の予兆や生え方の異常を早期発見
- かかりつけの小児歯科を持つ — 不安なときにすぐ相談できる関係を、虫歯ができる前から作っておく
歯の生え始めは、お子さまの口腔ケア習慣を作るスタート地点です。情報があふれる中で迷われたら、いつでも当院にご相談ください。
まとめ
赤ちゃんの歯の生え始めは、月齢にも順番にも大きな個人差があります。「周りより遅い」と心配しすぎず、お子さまのペースを見守ることが大切です。
この2つを意識いただければ、お子さまの一生使う歯の健康への、何よりの贈り物になります。
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参考文献・参考資料
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 公益社団法人 日本歯科医師会
- 厚生労働省「歯の健康」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
「明朗・愛和・喜働」を理念に、お子さまとご家族に寄り添った歯科医療を提供しています。




