【小児歯科医監修】舌の位置と歯並びの関係|正しい舌の位置(スポット)と「お口育て」|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年09月21日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年7月4日 / 初回公開:2017年
本記事は、舌の位置と歯並びの関係について、正しい舌の位置(スポット)の考え方・舌の位置が低いことで起こるとされる影響・ご家庭で取り入れられる遊びや体操を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「舌に正しい位置があるって知っていましたか?」――東灘区/御影の当院でも、歯並びのご相談のなかで、舌の位置についてお話しすることがあります。舌は、味を感じたり、食べ物を飲み込んだり、言葉を発したりと、毎日大活躍しています。じつは、その舌がふだんどこにあるかが、歯並びやお口の機能と関わると考えられています。
この記事では、正しい舌の位置(スポット)の考え方、舌の位置が低いことで起こるとされる影響、そしてご家庭で取り入れられる遊びや体操まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックが、お子さまのお口の機能を「お口育て」の視点でご案内します。
目次
正しい舌の位置「スポット」とは
何もしていないときや、飲み込むときに、舌の先が上の前歯のすぐ後ろのふくらみ(歯ぐき)に軽く触れ、舌全体が上あごにそっとくっついている状態が、望ましい舌の位置とされています。この舌先が当たる場所を「スポット」と呼びます。
舌が上あごにおさまっていると、成長のなかで上あごが自然に広がる方向に育ちやすいと考えられています。上あごの育ちは、下あごの育ちにも関わるとされており、あご全体のバランスに影響すると考えられています。あごの発育と歯並びの関係については、別記事「子どものあごの発育と歯並びの関係|お口の機能を育てる「お口育て」の視点」もあわせてご覧ください。
舌の位置が低いと歯並びにどう関わるの?
舌がスポットから離れて下がった状態(低位舌と呼ばれることがあります)が続くと、上あごが広がりにくく、歯が並ぶスペースが足りなくなることがあると考えられています。その結果、次のような歯並びの傾向につながることがあるとされています。
- 歯が並ぶスペース不足 — あごが狭いと歯が重なって生えるなど、でこぼこになりやすいとされています。
- 舌で歯を押すクセ — 舌が下の前歯を押し続けると、かみ合わせのバランスに関わることがあると考えられています。
- 上下の歯のあいだにすき間 — 舌が上下の歯の間に入るクセがあると、前歯がかみ合いにくい状態につながることがあるとされています。
こうした傾向には個人差があり、舌の位置だけで歯並びが決まるわけではありません。指しゃぶりなどのお口のクセも関わるとされています。お口のクセについては、別記事「子どもの指しゃぶり、いつまで大丈夫?歯並びへの影響とやめさせ方」もご参照ください。
歯並び以外にも関わるとされること
舌の位置は、歯並びだけでなく、呼吸のしかたにも関わると考えられています。舌が上あごにおさまっていると、口を閉じて鼻で呼吸しやすいとされています。一方、舌が下がって口が開いた状態が続くと、口呼吸につながることがあると考えられています。
お子さまが口呼吸になっていないか、ご家庭でも次のような様子から気づけることがあります。たとえば「テレビを見ているときにいつも口が開いている」「寝ているときに口が開いている・いびきが気になる」「くちびるがよく乾いている」といった様子です。あくまで気づきのきっかけであり、これらがあれば必ず問題があるというわけではありませんが、続くようであれば一度確認しておくと安心とされています。
また、舌はことばの発音にも関わるとされています。舌の位置やお口の機能について気になることがあれば、成長の様子とあわせて歯科で確認しておくと安心です。コップ飲みなど日常の動きを通じてお口を育てる考え方については、別記事「ストロー飲みは急がなくて大丈夫|コップ飲みで「お口育て」」もご覧ください。
ご家庭で取り入れられる遊び・体操
舌を正しい位置に保つには、まず「スポットを意識する」ことと、舌やお口まわりの筋肉を使う遊びを取り入れることが役立つと考えられています。無理のない範囲で、遊びのなかに取り入れてみましょう。
- くちびるを閉じて鼻で呼吸する練習 — ふだん口が開きがちなお子さまは、遊びのなかで口を閉じる時間を意識してみます。
- 「あっかんべー」や舌を回す動き — 舌の筋肉を楽しく動かすことにつながるとされています。
- お口の体操(「あいうべ体操」など) — お口まわりの動きを育てる方法として知られています。取り入れ方に迷うときは歯科でご相談ください。
お子さまの状態によっては、専用の装置を使ってお口の機能を整えていく方法が選択肢になることもあります。適した方法は一人ひとり異なりますので、まずは現在の状態を確認することからはじめましょう。
気になるときは歯科で相談を
「いつも口が開いている」「飲み込むときに舌が前に出る」「発音が気になる」など、気になる様子があるときは、成長の様子とあわせて歯科でご相談ください。お口の機能は、成長にあわせて少しずつ育てていくことができると考えられています。当院では「お口育て」の視点で、お子さまの状態に合わせたかかわり方をご案内しています。
よくあるご質問
Q1. 舌の位置が低いと、必ず歯並びが悪くなりますか?
A. 舌の位置は歯並びに関わる要素の一つと考えられていますが、それだけで決まるわけではありません。指しゃぶりなどのお口のクセや、あごの育ちなど、さまざまな要素が関わるとされています。気になる場合は歯科でご相談ください。
Q2. 何歳ごろから気にしたほうがよいですか?
A. お口の機能は成長にあわせて育っていきます。「いつも口が開いている」など気になる様子があれば、年齢にかかわらず一度ご相談いただくとよいとされています。適したかかわり方は、お子さまの状態によって異なります。
Q3. 体操をすれば舌の位置は治りますか?
A. お口の体操はお口まわりの動きを育てる方法として知られていますが、効果や必要性には個人差があります。無理のない範囲で取り入れ、気になることは歯科で確認しながら進めていくと安心です。
📌 舌の位置は「お口育て」の大切なポイントです
遊びのなかで無理なくお口を動かし、成長にあわせて育てていきましょう。
気になる様子があれば、お気軽にご相談ください。
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参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 一般社団法人 日本口腔筋機能療法学会
- 厚生労働省「歯の健康」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、舌やお口の機能を育てる(お口育て)の視点を大切に、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。




