【小児歯科医監修】離乳食と「お口育て」|赤ちゃんの噛む力・飲み込む力を育てる進め方|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|御影
2017年09月21日
執筆・監修:河崎 真也(みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/日本歯科放射線学会 認定医・日本小児歯科学会 所属)
最終更新日:2026年7月4日 / 初回公開:2017年
本記事は、赤ちゃんの離乳食について、始める時期の目安・食べさせ方の姿勢や声かけの工夫・噛む力や飲み込む力を育てる「お口育て」の考え方を、神戸市東灘区御影の小児歯科の現場知見をもとに保護者の方向けにまとめた内容です。
「離乳食はいつから始めればいいの?」「うちの子、なかなか食べてくれない」「食べ方のクセって、あとの歯並びに関係するの?」――東灘区/御影の当院でも、離乳食の時期の保護者の方から、こうしたご質問をよくいただきます。
離乳食は、ただ栄養をとるためだけの時期ではありません。自分でよく噛んで、飲み込むお口をつくっていく、大切な「お口育て」のスタート地点でもあります。この記事では、離乳食を始める時期の目安、食べさせ方の姿勢や声かけの工夫、そして噛む力・飲み込む力を育てる考え方まで、小児歯科医の立場でわかりやすくお伝えします。神戸市東灘区御影のみかげ小児歯科・矯正歯科クリニックが、お子さまの成長を「お口育て」の視点でご案内します。
目次
離乳食を始めるサインと時期の目安
離乳食は、生後5〜6か月ごろを目安に始めるご家庭が多いとされています。ただし、始める時期には個人差があります。月齢だけで判断するのではなく、赤ちゃんの発達のサインを見ながら、あせらず進めていくことが大切です。
次のような様子が見られたら、離乳食を始める準備が整ってきたサインと考えられています。
- 首がすわり、支えると座った姿勢がとれる — 姿勢が安定していないと食べ物が誤って気管に入ることもあるため、あせらず見守ります。
- スプーンを口に近づけても嫌がらない — 口に入れることを受け入れられるようになってきた合図とされています。
- 大人の食事をじっと見る・よだれが増える — 食べ物への興味が出てきたサインと考えられています。
無理に食べさせるのではなく、赤ちゃんが自然に食べ物を口に入れようとするタイミングに合わせてあげることが大切です。生えはじめの歯やお口の発達については、別記事「赤ちゃんの歯はいつから生える?生え始める順番・歯ぐずり・初めての歯磨きケア」もあわせてご覧ください。
なぜ離乳食が「お口育て」につながるの?
離乳食の時期は、母乳やミルクを「吸う」動きから、食べ物を「取り込んで・噛んで・飲み込む」動きへと、お口の使い方が大きく変わっていく時期です。この時期に身についた食べ方は、成長してからもそのまま残りやすいと考えられています。
しっかり噛んで飲み込む習慣は、あごやお口の機能が育っていくうえで役立つとされています。よく噛むことは唾液の分泌をうながし、お口を自然に清潔に保つはたらき(自浄作用)にもつながると考えられています。当院では、こうしたお口の機能を育てていく考え方を「お口育て」と呼び、離乳食の時期からのかかわり方を大切にしています。
食べさせ方で気をつけたい姿勢と声かけ
食べるときの姿勢は、噛む力・飲み込む力に関わると考えられています。イスに座って食べるときは、足の裏がしっかり床や足置きにつくようにすると、頭やあごの位置が安定し、力を入れて噛みやすくなるとされています。ぐらつく姿勢では、うまく踏ん張れません。
スプーンの入れ方にもコツがあります。口の奥まで入れてしまうのではなく、下くちびるにそっとのせて、赤ちゃんが自分で上くちびるを閉じて食べ物を取り込むのを待ってあげると、自分で食べる動きの練習になると考えられています。急がず、赤ちゃんのペースに合わせて見守りましょう。
成長にあわせて、食材のかたさや大きさを少しずつ変えていくことも大切とされています。はじめはなめらかにすりつぶしたものから始め、慣れてきたら舌でつぶせるかたさ、歯ぐきでつぶせるかたさへと、段階的に進めていく考え方が一般的です。かたさをあせって進めると、よく噛まないまま飲み込むクセにつながることがあると考えられていますので、赤ちゃんの様子を見ながらゆっくり進めましょう。
また、手づかみ食べは、自分のお口に合う一口の量を覚えたり、目と手とお口を協調させて使ったりする練習になると考えられています。食べこぼしが増えて片づけは大変になりますが、自分で食べたいという気持ちを育てる大切なステップとされています。汚れてもよい環境を整えて、あたたかく見守ってあげましょう。
「流し込み食べ」を防ぎたい理由
ご飯をあまり噛まずに、お茶や水などの水分でいっしょに流し込む食べ方が習慣になると、噛む練習の機会が減ってしまうと考えられています。よく噛まないままだとあごが育ちにくく、将来の歯並びに影響することがあるとされています。
また、水分で流し込む食べ方は、噛む回数が減ることで唾液の量が減りやすいとも言われています。食事中の水分は、のどの渇きに合わせて少しずつにとどめ、まずはよく噛むことをうながしてあげましょう。コップ飲みやストロー飲みの進め方については、別記事「ストロー飲みは急がなくて大丈夫|コップ飲みで「お口育て」」もご参照ください。おやつの取り方については「子どものおやつとむし歯|だらだら食べを防ぐ食べ方と選び方」もあわせてご覧ください。
家族みんなで食卓を囲む大切さ
離乳食は、赤ちゃん一人で無理に進めるものではありません。家族といっしょに食卓を囲み、大人がおいしそうに食べる様子を見せることは、食べることへの興味やまねをしたい気持ちを引き出すと考えられています。
食べる量や進み方には個人差があります。「食べない」「なかなか進まない」と感じるときも、あせらず赤ちゃんのペースを見守ってあげてください。心配なことがあれば、健診の機会や歯科でご相談いただけます。
よくあるご質問
Q1. 離乳食はいつから始めればよいですか?
A. 生後5〜6か月ごろを目安に始めるご家庭が多いとされていますが、時期には個人差があります。首がすわる・スプーンを嫌がらない・食べ物に興味を示すなどの発達のサインを見ながら、あせらず進めていくことが大切です。
Q2. あまり噛まずに飲み込んでしまいます。大丈夫でしょうか?
A. 水分でいっしょに流し込む食べ方が習慣になると、噛む練習の機会が減ってしまうと考えられています。食事中の水分は少しずつにとどめ、よく噛むことをうながしてあげましょう。気になる場合は歯科でご相談ください。
Q3. 離乳食の時期から歯みがきは必要ですか?
A. 歯が生えはじめたら、少しずつお口に触れられることに慣れていくとよいとされています。最初はガーゼでやさしく拭くところから始め、歯の本数が増えてきたら仕上げみがきへ移行していく考え方が一般的です。
📌 離乳食は「お口育て」のスタートです
よく噛んで飲み込む習慣を、あせらず赤ちゃんのペースで育てていきましょう。
進め方に迷ったら、お気軽にご相談ください。
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参考文献・参考資料
- 全国歯科衛生士教育協議会 監修『歯科衛生学シリーズ 小児歯科学』(医歯薬出版、2023年)
- 一般社団法人 日本小児歯科学会
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
- 厚生労働省「歯の健康」
執筆・監修:河崎 真也(かわさき まさや)
みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック 院長/医療法人茜会 理事長
専門:小児歯科/小児矯正/口腔機能育成
所属:日本歯科放射線学会 認定医、日本小児歯科学会
神戸市東灘区御影で、離乳食の時期からのお口の機能(お口育て)の視点を大切に、お子さまの成長を見守る歯科医療を行っています。「明朗・愛和・喜働」を理念に、ご家族に寄り添った診療を心がけています。




