妊婦さんが虫歯になりやすい理由|みかげ小児歯科・矯正歯科クリニック|神戸市東灘区御影・住吉の歯医者|ブログ
2017年09月11日
妊婦さんは虫歯になりやすいと言われています。しかし、妊娠中に虫歯の治療をする事で、お腹の中の赤ちゃんに影響はないのか、心配される妊婦さんも多いようです。
■妊婦さんが虫歯になりやすい理由。
妊娠するとホルモンバランスが乱れる事から、虫歯になりやすくなります。女性ホルモンを栄養とする歯周病菌も繁殖しやすくなるので、歯周病も悪化します。
それだけでなく、妊娠中は唾液が粘り気を帯びるようになる為、口内環境が虫歯菌の活動しやすい状況に変化します。また、妊娠中は唾液の量が減り、口の中が酸性になりがちです。酸性の状態が続けば、歯の再石灰化が弱まり、虫歯にもなりやすくなります。
■妊婦さんでも出来る治療。
では、妊娠中にはどのような歯科治療が出来るのでしょうか。
まず、虫歯になってしまった部分を削って詰め物や被せ物をする治療は、妊娠中でも出来ます。虫歯が神経に達してしまうと、神経の治療も必要になってきます。
妊婦さんは歯周病が悪化しやすい口内環境になっているので、歯石を取ったり、清潔な口内環境を保つ為の予防歯科や歯周病の治療は妊娠中でも可能です。
抜歯も問題ありませんが、親不知の抜歯や外科処置などは避けるべきです。
■歯科治療における胎児への影響。
歯医者さんに行くと、レントゲンを撮影することがあります。特に気になるのは被爆ではない
かと思います。歯医者でレントゲン撮影をする場合、撮影は口の部分に限定して行います。胴体には鉛のエプロンもかけますので、胎児にはレントゲンの影響が出る事はほぼありません。
日本人が浴びる自然放射線量は年間で1.5mSvから2.4mSvですが、それに対して歯科用CTの放射線量は0.1mSv、歯科用レントゲンは0.01mSvです。
虫歯治療では、麻酔を打つことがあります。この麻酔も胎児に影響がないのか気になりますが、歯医者の麻酔は局所麻酔で麻酔薬も少量である事から、胎児への影響を気にする必要はありません。
では、治療後に出される痛み止めや抗生物質はどうでしょうか。実は処方される薬の中には、胎児に影響を及ぼすものがあります。抗生物質なら、セフェム系やペニシリン系が比較的安全であり、妊婦さんにも使われます。
やむを得ない状態であれば、薬を使用する事もありますが、基本的には避けた方が良いでしょう。
妊婦さんが治療をする際は、悪阻が酷い時期や出産直前などは避けるのが正解です。比較的、体調が安定する妊娠中期であれば、胎児への影響も少なくなります。
妊娠中である事を事前に伝え、歯医者さんと相談しながら、治療を行うようにしてください。